101回目の花園に向けて楽しみなチームが出てきた。
4年ぶりの出場を目指す國學院久我山が、夏合宿での連戦で快進撃を見せている。
8月7日に関東王者である國學院栃木を50-5と大差で下して、最初のインパクトを残すと、翌日には昨季花園4強の大阪朝高を66-7、1日空いた10日には強豪・御所実を63-12で破った。
連日の大勝に土屋謙太郎監督は「選手たちは自信になっていると思います」と話すも、「新ルール(の影響)で取れてしまったのも何本かありました」と謙遜もする。
7月にワールドラグビーから通達された世界的試験実施ルールのひとつである、「50:22(自陣の内側からボールを蹴って相手陣の22㍍ラインより内側で間接的にタッチになった場合、その後のラインアウトではそのチームがボールを投入する)」が大量得点につながった。好キック→ラインアウトモールで奪ったトライが多かったそうだ。
もっとも、久我山が最大の武器としているのはコンタクト力だ。
編集部が上述の結果を受けて駆けつけた13日には、午前に合宿3日目と元気な報徳学園、午後には春の選抜大会4強の石見智翠館と対戦。それぞれ30分ハーフで7-7、5-10と僅差試合を演じた。
本降りの雨の中でロースコアの展開はある程度予想できたが、試合内容も両者に全く引けを取らない充実ぶり。実力は本物だ。
勝利こそできなかったけれど、悪天候でも1日2試合を戦い抜くタフさ、そしてフィジカルの強さを見せた。何とか勝った智翠館の安藤哲治監督には、「花園では当たりたくないですね(笑)」と言わしめた。
かねてより「夏合宿で強豪チームと対戦したかった」と語っていた土屋監督。昨季は花園予選、オータムチャレンジと決勝まで進むも、あと一つのところで敗退した。主力が多く残った今季のチームは公式戦で快勝を続けていたが、全国上位チームとの対戦ではなかった。
東京都予選決勝で目黒学院を28-7で撃破して関東大会へ。関東大会では明和県央と昌平と対戦し、いずれも無失点&大量得点でBブロックを制していた。
「彼らにとって花園は未知の世界だが、昨年の結果でこれでは足りないと分かっている。だから向上心は強い」(土屋監督・関東大会にて)
夏合宿で大きな自信を得て、勝負の冬に挑む。
*夏合宿のリポート詳細は8月25日発売のラグビーマガジン10月号に掲載予定