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【東京五輪/女子】準決勝激闘。NZが延長戦でフィジーに劇的勝利。フランスは英国に競り勝つ

2021.07.31

ポーシャ・ウッドマンを止めるアロエシ・ナコジ。敗れたフィジーだが守りも粘り強かった(C)Getty Images


 東京2020オリンピックの女子7人制ラグビー(東京スタジアム)は、7月31日の午前中に準決勝がおこなわれ、ニュージーランドとフランスが勝って決勝進出を決めた。

 ニュージーランドとフィジーが対戦した準決勝第1試合は、延長にもつれる死闘となった。

 先制したのは、今大会第1シードのニュージーランドだった。前半1分30秒、プレッシャーをかけて相手がパスを乱し、ボールを拾ったゲイル・ブロートンがインゴールに持ち込んだ。

 しかし、前日の準々決勝で前回大会王者のオーストラリアを倒したフィジーは、この日も果敢にジャイアントキリングを狙った。3分、レアピ・ウルイナサウが自陣から抜けて大きくゲインし、追いつかれたものの、ニュージーランドに反則があり、PKを得たフィジーは速攻、ヴァシティ・ソリコヴィティがゴールラインを割り、コンバージョンも決まって逆転した。

 2点を追うニュージーランドは前半ラスト、辛抱強くつなぎ、ルビー・トゥイが中央突破で力走し、トライまでもっていくかと思われたが、懸命に追いかけたアロエシ・ナコジがインゴール目前で落球させ、トライを許さなかった。

 このビッグプレーにより、2点リードで折り返したフィジーは、後半1分過ぎに加点する。ハーフウェイで、主将のルシラ・ナンガサウが強烈なタックルを決めて相手に落球させ、カウンターアタックでボールをつなぎ、ソリコヴィティが右隅にフィニッシュした。

 しかし、2016年のリオ大会で準優勝に終わっていたニュージーランドは、金メダルへ向けて執念を見せる。3分、5年前に号泣したポーシャ・ウッドマンが爆発的加速で右外を振り切り、インゴール中央に持ち込み、コンバージョンも決まり12-12と同点に追いついた。

 そして、6分30秒、ニュージーランドは敵陣10メートルライン付近で得たPKから攻め、ステイシー・フルーラーが勝ち越しトライを決めた。コンバージョンは決まらず、5点差でクライマックスとなる。

 このまま逃げ切りたいニュージーランドだったが、ホーンが鳴ったあとのリスタートのキックオフがダイレクトタッチとなり、フィジーが最後のアタックチャンスを得る。そして、ハーフウェイでオフロードパスをもらったウルイナサウが抜けて走り切り、右隅にフィニッシュ。土壇場で17-17の同点に追いついた。コンバージョンは外れ、延長戦に突入した。

 そして延長2分、ついに決着がつく。
 キックオフで勇敢に勝負したフルーラーがボールを確保し、ニュージーランドが攻め続け、主将のサラ・ヒリニが1対1でディフェンスを抜いてゴールに迫り、すばやいリサイクルでボールを手にしたブロートンが劇的なゴールデントライを決め、22-17でニュージーランドが死闘を制した。

ヨーロッパ勢同士の準決勝も激闘に。英国の追い上げ届かずフランスが歓喜(C)Getty Images

 第2試合ではヨーロッパ勢のフランスとイギリスが対戦し、フランスが26-19で競り勝った。

 序盤、フランスの2大トライゲッターであるアンヌ=セシール・シオファニとセラフィーヌ・オケンバが躍動してトライを重ねたのに対し、イギリスは、こちらも最速のフィニッシャーであるジャスミン・ジョイスが自陣から中央突破で走り切り、この試合も接戦を予感させた。

 リードを広げたいフランスは6分、キックチェイスに競り勝ったコラリー・ベルトランがトライゲッターとなり、21-7とする。
 しかしイギリスは食らいつき、前半最後、ハーフウェイからまたも背番号1のジョイスが走り切り、点差を詰めて折り返した。

 だが、後半もフランスの立ち上がりがよく、開始17秒でシオファニがファイブポインターとなり、26-12。

 それでも粘るイギリスは4分、ハナ・スミスがトライを挙げ、コンバージョンも決まり、7点差とした。

 追いつきたいイギリスはラスト、敵陣で懸命に攻めた。しかし、フランスがブレイクダウンでプレッシャーをかけて反則を引き出し、熱闘はノーサイドとなった。

 ニュージーランド対フランスの決勝と、フィジー対イギリスの3位決定戦は、同日夕方におこなわれる。

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