この日へ向け、仲間たちと過ごした長い旅は敗戦で終わった。
東京オリンピックのラグビー(セブンズ)、女子の最終日(3日目)。プールステージで3戦全敗、9-12位決定戦の初戦でケニアに17-21と敗れた日本はブラジルとの11-12位決定戦を戦った。
平均22歳の若い日本は、今大会の過去4試合、大敗あり、ミスありと苦しむも、一方で、修正も成長もあった。
目標としたメダル獲得は遠かったけれど、最後に勝って終わりたかった。
その願いも叶わなかった。
サクラセブンズの立ち上がりは悪くなかった。
相手の蹴ったキックオフボールを確保。攻撃を継続する途中、平野優芽が防御を突破。山中美緒につないでチャンスを広げた。
しかし、防御裏に転がしたキックをブラジルに取られるとカウンターアタックを受ける。いっきに自陣ゴール前まで走った相手を梶木真凜がなんとか止めたが、直後に反則。PKから先制トライを奪われた(Gも決まり0-7)。
先制されたが日本は積極的に攻め続けた。
直後のリスタートのキックオフからボールを保持。ボールを大きく動かし、平野が再び走った。アングルをつけて走り込んだ弘津悠にパス。弘津がインゴールに入り、ゴールも成功して7-7と追いついた。
その2分後は、原わか花が左スミに飛び込んだ。
ブラジル陣22メートルライン付近のマイボールスクラムで相手が反則。PKからすぐに仕掛けた。12-7と逆転。
しかし前半最後、キックオフボールを受けたブラジルに防御間を突破されて許したトライが痛かった(Gも決められて12-14)。
後半は得点が動かない時間が長かった。
ブラジルにはミスが目立ち、日本の攻撃機会も少なくなかった。しかし、反則やミスでボールを失う。
ラインアウトなど、セットプレーでボールを確保できないケースもあった。
それでもサクラセブンズは、2点差を必死に追い続けた。
残り1分となった頃、赤白のジャージーはボールを動かして左サイドを攻めた。つかまる。ジャッカルされてPKを与える。マリーナ・フィオラヴァンティにインゴールまで走り切られて勝負は決した(Gも決まり12-21)。
戦いは終わった。
試合直後、黒木理帆は膝をついて涙を流した。すべてを注ぎ込んで迎えた大舞台で勝利を手にできなかった。
若いメンバーたちの中には、2024年の次回五輪を目指す者も少なくないだろう。
リオ五輪前からの強化の足跡をしっかり検証し、今回笑えなかった選手たちが3年後に多くの勝利をつかめるような道筋を示さないといけない。
◆ブラジル戦 女子セブンズ日本代表メンバー(数字は背番号)
4 梶木真凜
5 平野優芽
6 弘津悠
7 原わか花
9 大谷芽生
11 小出深冬
13 山中美緒
【リザーブ】
2 清水麻有(共同主将)
3 白子未祐
8 黒木理帆
10 永田花菜
12 堤ほの花