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【東京五輪】 フィジーがNZとの熱闘制し五輪連覇! アルゼンチン3位で南米初の快挙

2021.07.28

セブンズ王国の力を示したフィジー。金メダルと国旗を手に最高の笑顔(Photo: Getty Images)


 東京オリンピックの男子7人制ラグビー(セブンズ)で金メダルに輝いたのは、フィジーだった。
 2021年7月28日、東京スタジアムで決勝がおこなわれ、フィジーはニュージーランドとの熱闘を27-12で制し、2大会連続の優勝を成し遂げた。2016年にリオで頂点に立ち、母国に初のオリンピックメダルを持ち帰った男子セブンズフィジー代表。5年後の大舞台でも最高峰のプレーで世界中を魅了し、感動を与えた。

 決勝前に両国の国歌が流れ、フィジーの選手のなかには涙を流す者もいた。
 熱い思いのまま、前半1分に先制する。敵陣深くに入って黒衣の男たちにプレッシャーをかけ、ボールを奪い返し、メリ・デレナランギがインゴール右隅に飛び込んだ。
 フィジーはさらに、リスタートのキックオフボールを確保して蹴り、インゴールに転がった楕円球に、先にニュージーランドのアンドリュー・ニュースタッブが追いついたがコントロールできず、フィジーのシレリ・マンガラが押さえて連続トライとなった。

 一方、リオで5位に終わった屈辱を忘れず、2018年のワールドカップ・セブンズを制し、東京オリンピックでの金メダル獲得は悲願だったニュージーランドは、3分過ぎに反撃する。共同主将のスコット・カリーがハーフウェイから力走でトライを取り切り、チームメイトを鼓舞した。

 しかし、フィジーは簡単には流れを変えさせなかった。5分、チウタ・ワイニンゴロがハーフウェイライン手前からギアを入れ、右外を駆け上がって力強い走りで2人のタックラーを振り切り、点差を広げた。

ディフェンスを突破してゴールへ向かうNZのシオネ・モリア(Photo: Getty Images)

 それでもニュージーランドは食らいつき、ハーフタイム前、シオネ・モリアが力強いレッグドライブでタックルをぶち破り、ゴールに持ち込み、7点差に詰めて後半につなげた。

 19-12で迎えた後半、白熱の攻防で、しばらくスコアは動かなかった。
 しかし、残り時間2分数秒となり、フィジーが怒涛の攻めでゴールに迫る。ニュージーランドは懸命にディフェンスしたが、フィジーが右へ大きくボールを動かし、アサエリ・トゥイヴアカがフィニッシュ。
 これで勝利を引き寄せたフィジーは、最後はペナルティゴールで締めくくり、歓喜の抱擁となった。

五輪連覇を決め、歓喜のワイセア・ナズング(8番)とカリオネ・ナソコ(Photo: Getty Images)

 3位決定戦はアルゼンチンが17-12でイギリスに競り勝ち、銅メダルを獲得した。
 新星のマルコス・モネータがこの試合でも躍動し、12-12で迎えた後半4分過ぎ、モネータと同じ21歳のイグナシオ・メンディが自陣から快足を飛ばし、勝ち越しトライを決めた。
 2016リオ大会準優勝で、東京でもメダルを狙ったイギリスは執念を見せ、残り1分を切ってからのスクラムで奮闘し、ボールを奪い返してラストアタックにつなげたが、最後はアルゼンチンのルシアノ・ゴンザレスがブレイクダウンでからんでイギリスの反則を引き出し、激闘はノーサイドとなった。

アルゼンチンのサンティアゴ・アルバレス主将、偉業達成で涙。10番はサンティアゴ・マレ(Photo: Getty Images)

 ラグビーで南米の国がオリンピックメダルを獲得したのは初めて。15人制ではワールドカップ3位になったこともあるアルゼンチンの情熱的な男たちは、7人制の最高舞台とされるオリンピックでも強さを示し、南米ラグビー界を活気づける歴史的な快挙となった。

東京オリンピック3位となり、銅メダルを獲得したアルゼンチン代表(Photo: Getty Images)
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