東京オリンピックの金メダルをかけたファイナルの舞台に立つのは、ニュージーランドとフィジーだ。
男子7人制ラグビーは、7月28日の午前中に東京スタジアムで準決勝がおこなわれ、第1試合ではニュージーランドがイギリスを29-7で下し、第2試合では前回大会チャンピオンのフィジーがアルゼンチンに26-14で逆転勝ちした。
今大会トップシードのニュージーランドは、立ち上がりよく、自陣から辛抱強くつないで攻め上がり、共同主将のスコット・カリーがフィニッシュし先制した。
その後、ワールドセブンズシリーズ歴代最多トライゲッターであるイギリスのダン・ノートンが鮮やかな走りを披露し、同点となったが、ニュージーランドはハーフタイム前、右サイドを攻略し、シオネ・モリアからパスをもらったリーガン・ウェアがインゴールに持ち込み、勝ち越しに成功した。
14-7で折り返した黒衣の男たちは後半も優勢に試合を進め、3分、イギリスのしぶといディフェンスに対し、ティム・ミケルソン共同主将がからまれながらも落ち着いてパスをつなぎ、ウェアがフィニッシャーとなった。
勢いづいたニュージーランドは、リスタートのキックオフボールをディラン・コリアーが左外でダイレクトキャッチし、そのままゴールへ走り切り大きな追加点を獲得。終盤にはカリーがダメ押しトライを決め、快勝となった。
2大会連続の金メダルを狙うリオ大会王者のフィジーは、準々決勝で数的不利をものともせず強豪の南アフリカを倒して勢いに乗るアルゼンチンの挑戦を受け、接戦となったが、後半に逆転し決勝進出を決めた。
先に主導権を握ったのはフィジーだった。
前半2分30秒、敵陣10メートルライン付近でPKを得ると、シレリ・マンガラが速攻を仕掛けて鋭いステップとハンドオフで次々とタックラーを振り切り、先制トライを決めた。4分にはブレイクダウンでこぼれたボールをメリ・デレナランギが拾い上げてゴールへ駆け抜け、追加点。12-0とした。
対するアルゼンチンは6分、アタックを継続して敵陣深くに入り、今大会のシャイニングスターのひとりであるマルコス・モネータが中央突破でトライを奪い返した。さらに、ハーフタイム前にも辛抱強くアタックを継続してイグナシオ・メンディが左隅にフィニッシュ。タッチライン付近からのコンバージョンをサンティアゴ・マレが決め、12-14と逆転して折り返した。
しかし、2点ビハインドで後半を迎えたフィジーは、1分30秒、仲間からオフロードパスをもらったチウタ・ワイニンゴロが自陣からゴールへ走り切り、19-14と逆転した。
さらに4分には、15人制の世界的スターでもあるセミ・ランドランドラが軽快な動きでディフェンスを抜け、貴重な追加点を獲得し、アルゼンチンの挑戦を退けた。