強い日差しが照りつける中、夏の菅平に48校が集った。
第8回全国高校7人制大会が7月17日から3日間、2年ぶりに開催された(全試合無観客)。1グループ3チームずつの計16グループに分かれたプール戦(総当たり戦)が初日におこなわれ、2日目から1位グループ(カップトーナメント)、2位グループ(プレートトーナメント)、3位グループ(ボウルトーナメント)に分かれてトーナメントで争われた。
3つのトーナメント決勝はいずれも接戦。心地よい緊張感が菅平に漂っていた。
カップトーナメント決勝 東海大仰星 17-14 國學院栃木
カップでは、準決勝で春のセンバツ王者・東福岡を破った東海大仰星が、決勝で國學院栃木を17―14で破り、第2大会以来5大会ぶり(6年ぶり)のセブンズ王者となった。
先制点は仰星。前半1分、狭い右サイドから細かくパスを繋ぎ、最後は今大会大活躍の春名海輝が抜け出してトライを奪った。だが3分に国栃が自陣スクラムから青柳潤之介が大きくムーブ。独走して同点に追いついた。
攻守が変わり、今度は仰星。ペナルティを重ねる国栃を攻め立て、ゴール前ラックからサイドを薄田周希主将が突っ込んだ。仰星12―7国栃で前半を折り返す。
後半最初のトライも仰星だった。4分、登録メンバー唯一の2年生、松沼寛治が2人のタックルを受けながら、左隅にトライ(17―7)。
リードを広げるが、国栃も諦めずに再び青柳が抜けて2トライ目。ゴールも決まり、3点差としてなおも攻め立てるが、逆転には至らず。17―14で仰星が逃げ切った。
仰星の薄田主将は「あくまでここも通過点。これからいいスタートを切って、また冬でも優勝できるように努力していきたい」と語った。
プレートトーナメント決勝 流経大柏 26-19 仙台育英
プレートでは、プール戦でそれぞれ報徳学園、長崎北陽台に敗れた流経大柏と仙台育英が決勝で対戦。流経は準決勝で日川から辛くも逃げ切り、育英は京都成章から後半に3トライを奪い、19―17で逆転勝ちして決勝に進んでいた。
鮮やかな先制だった。1分、今聡がど真ん中できれいにラインブレイクを決めて、育英が先制トライ。流経も負けじと縦を突いて、俊足の諸井仁穏がインゴールへ飛び込む。続く5分にもジャッカルからの速攻で最後は加藤アディナンがトライを決めて14―7と逆転した。
だが育英も流経のパスミスとペナルティを突いてトライ。難しい角度のコンバージョンも決めて同点で前半を折り返した。
後半は3分に流経の飯岡建人が2度目のラインブレイクで(1度目は最後にボールを奪われる)、リードを広げる。飯岡は直後のキックオフでもキャッチのタイミングで好タックルを決めてターンオーバー。諸井のトライにつなげた(26―14)。
12点差とされた育英は7分にダリエス・トマスがねじ込むもノーサイド。26―19で流経がプレートを制した。
ボウルトーナメント決勝 札幌山の手 24-17 城東
ボウルでは札幌山の手と城東が決勝でぶつかった。
先制トライは2分、城東の中嶋健悟が左隅を走り切る。だが直後に山の手の濱谷海斗が2回内にステップを切って、2人を交わしそのままポール下へ。7―5で逆転に成功した。
それでも今度は城東。天羽進亮が一気に加速し、オフロード。岡秀真主将が受け取りトライを逆転した。前半はシーソーゲーム。前半終了間際に山の手は自陣からゆっくりとした攻めでパスを回し、勝機ある1対1を見つけると、ヴァハフォラウ・ステファンが抜け出し、さらにハンドオフで2人目も交わしてトライ。12―12と同点で折り返す。
後半は1分に山の手が右サイドを崩してトライを挙げると、4分にも追加点。城東の天羽が1トライ返すも、直後にノーサイドの笛。24―17で札幌山の手がボウル優勝を飾った。
また各トーナメントでMVPが選出され、カップは御池蓮二(東海大仰星)、プレートは蓬田蓮(流経大柏)、ボウルは濱谷海斗(札幌山の手)がそれぞれ受賞した。