サントリーサンゴリアスでの2020-2021シーズンを終えたあとオーストラリアに帰国し、セブンズ(7人制ラグビー)代表スコッドに合流していたサム・ケレビが、東京オリンピックのオーストラリア代表メンバーに選ばれた。
7月3日、オーストラリアオリンピック委員会が東京大会の7人制ラグビーに臨むメンバー(男子・女子各12人)を発表。15人制ラグビーの世界的スターである27歳のケレビも名を連ね、アスリートの夢の舞台に立つことが決まった。
15人制オーストラリア代表“ワラビーズ”の一員として2019年のワールドカップ日本大会にも出場し、33キャップを持つ世界トップクラスのパワフルなCTBであるケレビだが、7人制代表に合流したのは1か月前で、6月下旬のオセアニア大会に参加するまでは本格的なセブンズの試合に出場したことはなかった。
しかし同大会で、東京オリンピックの優勝候補と見られているニュージーランド相手にトライを挙げるなど、アピール。ケレビの熱意とラグビー選手としての能力、経験に期待するティム・ウォルシュ ヘッドコーチは、彼を理想的なインパクトプレーヤーと見て、オリンピックメンバーに選出した。
ほかにはフレッシュな顔ぶれが並び、2大会連続選出は主将のニック・マルーフとヘンリー・ハチソンのみ。
陸上競技100メートル走の元国内チャンピオンで、2019年に7人制ラグビーに転向していたトレイ・ウィリアムズは候補メンバーに名を連ねていたが、東京オリンピック代表には選出されなかった。
一方、2016年にリオデジャネイロで金メダルに輝き、2大会連続の優勝を目指す女子のオーストラリア代表は、ワールドラグビーの年間最優秀女子セブンズ選手賞にも選ばれたことがあるシャーロット・カズリックのほか、シャーニ・ウィリアムズ、シャノン・パリー、エマ・トネガト、エヴァニア・ペリティといった、5年前に表彰台の一番高いところに立った経験豊富な選手たちが選ばれている。
かつて世界最高の女子セブンズ選手と称えられた28歳のエミリー・チェリーが、新型コロナウイルス感染症をめぐる状況や、けが、育児、家庭の事情などを理由に2か月前に引退を表明し、クロイ・ダルトンは本番前最後のウォームアップゲームで顔面を骨折して離脱。リオでダイナミックな走りを披露し金メダル獲得に大きく貢献したスピードスターのエリア・グリーンは、最近はけがの影響もあって調子が上がらず、落選となった。
それでも、再び頂点に立てるチーム力は十分ある。
女子のオーストラリア代表は、東京オリンピックではアメリカ、中国、そして日本と同組に入る。男子は、プールステージでニュージーランド、アルゼンチン、韓国と戦う。