ラグビーリパブリック

主将負傷離脱…ライオンズ側の声。「松島には手を焼いた」

2021.06.27

ビッグゲームで輝いた日本代表WTB松島幸太朗。(撮影/Taka Wu)



 10-28。
 これが現時点での4か国オールスターチームと、日本代表の実力差か。

 約1か月の準備期間を経てエディンバラ入りした日本代表に対し、ライオンズの準備期間は、最初から合宿に参加したメンバーで約2週間。プレミアシップのプレーオフを戦うイングランド勢の中には、この試合の数日前に合流した選手や、まだライオンズに合流していない選手もいる。
 そんな状況もあり、日本代表の金星にも期待がかかったが、現実は甘くなかった。

 この試合、マン・オブ・ザ・マッチに輝く活躍を見せたダン・ビガー(SO/ウエールズ)は、こう振り返った。
「まずは、結果が出せて嬉しい。後半は、プレッシャーを受けてミスや反則が目立ってしまったが、前半の30分までは非常にいい試合運びだったし、ここでのパフォーマンスにこれから磨きをかけていきたいと思う」

「日本代表が早い展開でアンストラクチャーな試合展開に持っていこうとしているのは分かっていた。我々は、基本的なプレーをしっかりとやり、シンプルな戦いをしようと試合に挑んだ。基本的に上手くいったし、多くの場面で肉弾戦に勝つことができたと思う。多くの観衆(この日は、1万6千人の観衆がマレーフィールドを訪れた)の前で試合ができて、本当に気持ちよかった」

 ライオンズ側は後半、プレッシャーを受けたという印象を持った。
 日本代表は確かに後半に入り、よりテンポよく、ダイレクトにゲインラインをブチ破りにいく走りをより多く見せ、全体的に勢いのあるアタックを見せてくれた。

 後半、ラインアウトからのサインプレーでトライを挙げた姫野和樹(NO8)の投入も効果的で、ジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチも姫野が試合に与えたインパクトを讃えた。
 また、姫野とともに海外組としてこの試合に大きなインパクトを与えた松島幸太郎(WTB)の活躍も、特に後半、ライオンズに大きなプレッシャーを与えた。

 ディフェンスの僅かなギャップを見つけて一瞬のうちに相手を抜き去るスピード。
 中途半端なタックルを振り切りあっという間にその場から走り去る松島らしいプレーは、この試合でも健在だった。

「確かに、松島には手を焼いた。非常にダイナミックな選手だった。ただ、今のチームの状態はまだまだで、月曜のレビューでここからどうやって改善していくかを皆で考える予定だ。スプリングボクスとの戦いでも、こういうチャレンジはあるはずだ」
 松島の印象を聞かれたビガーは、そう振り返った。

 スプリングボクスの瞬足ステッパーと言えば、2019年ワールドカップ決勝戦でもトライを挙げたチェズリン・コルビがいる。
 この日、松島に許したラインブレイクは、ライオンズが本番と捉えるスプリングボクスとのテストマッチでの瞬足ステッパー対策として、分析の対象となるのだろうか。

 また、ライオンズにとっては非常に残念なニュースだが、前半早々に肩を負傷して退場となった主将のアラン=ウィン・ジョーンズ(LO/ウエールズ)は、この試合でチームを離れることになった。

 試合後の会見でライオンズのウォーレン・ガットランド監督は、「非常に残念だが、代わりの選手を呼ばなければならないと思う。誰を呼ぶかはまだ決めていないし、キャプテンをどうするかもこれから考えなければならない」と述べた。

 そして、やがてツアーキャプテンにSHコナー・マレーが指名された。
 また、ジョーンズ主将と、主将同様に負傷したジャスティン・ティプリック(FL/ウエールズ)の代わりに、ふたりのウエールズ代表、アダム・ビアード(LO)、ジョシュ・ナヴィディ(FL/NO8)がツアーメンバーに加わった。

 この後、ライオンズは南アフリカ遠征に旅立ち、日本代表はアイルランド代表との対戦が控えるダブリンへと向かう。
 両チームにとってのこの夏の大勝負は、まだ終わっていない。

Exit mobile version