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東京五輪の日本代表に松井千士、藤田慶和ら選出。女子は平均22歳の若い布陣で金メダル狙う!

2021.06.19

東京五輪ラグビー男子日本代表。岩渕HC(写真右から5人目)と選手たち ©JRFU


 今夏開催予定の東京オリンピックに臨むラグビー(7人制)日本代表の内定選手が決まり、6月19日に発表会見がおこなわれた。選ばれたのは、男子、女子各12人。本城和彦・男女セブンズナショナルチームディレクターによれば「今日発表した12人がオリンピックに出場するメンバー」。けがやコンディション不良によって変更する場合はあるが、このメンバーで東京オリンピックを戦う。バックアップメンバーはそれぞれ4人が選ばれ、男女とも16人のスコッドでオリンピックでの戦いが終了するまで一緒に活動していく。

 男子日本代表の岩渕健輔ヘッドコーチは、「今回発表する12人だけではなく、12人から漏れた仲間も一緒にいまも合宿をしている。それから、強化のために日本中から多くの選手たちが集まってくれて、日々一緒にトレーニングをして、オリンピックでのパフォーマンスのためにラグビーファミリー、セブンズファミリーとして一緒に支えてくれている。そういった選手たち、スタッフ、いろんな方々の支えがあって今日を迎えられた」と感謝する。

 選手選考については難しかったという岩渕ヘッドコーチだが、自信をもって選出した12人だ。選考で重視したのは、大きく2つ。ひとつは、グラウンド内ではもちろん、グラウンド外でも日本代表としてふさわしい選手、オリンピックに出るアスリートとしてふさわしい選手がどうかを観たという。もうひとつは、自国開催のオリンピックということで、大きなプレッシャーがかかることが予想され、「そういったプレッシャーをある意味楽しみながら、そのなかでパフォーマンスができる選手を選出した」。

 男子は、2016年のリオデジャネイロ大会で4位入賞の快挙を遂げたメンバーである副島亀里ララボウ ラティアナラ、トゥキリ ロテ、羽野一志、彦坂匡克が2大会連続の出場となる。同じくリオオリンピックの一員で東京オリンピックへ向けての第四次候補に名を連ねていた合谷和弘は最終メンバーに選ばれず、バックアップメンバーとなった。

 羽野は、リオオリンピックの初戦で優勝候補のニュージーランドを破るという大金星を成し遂げた経験から、「東京オリンピックでも初戦がすごく大事になってくる。しっかり準備していきたい」とコメントした。

 2016リオオリンピックのバックアップメンバーだった藤田慶和と松井千士は、悔しさを糧にして夢をつかみ、東京大会の大舞台に立つ。

 松井は今回、キャプテンも務めることとなり、「12人のなかに選ばれたことを誇りに思う。世の中の状況が大変なコロナ禍の中で開催されるということで、大きな意味があると思う。望まれた大会ではないかもしれないが、僕たちができることはラグビーしかないので、全力で取り組みたい。目標はメダル獲得」と力強く語った。
 岩渕ヘッドコーチは松井キャプテンについて、「有言実行をしてくれる。非常に気持ちを前に出して、厳しい局面でも自分から体を張って戦ってくれる」と期待する。

 藤田は「5年前のリオは本当に悔しいオリンピックだったし、そのときから東京オリンピックは必ず出たいと思っていた。この5年間、いろいろな経験をしてきた。その経験を活かし、全力でしっかり戦っていきたい。選出されていまはすごく嬉しいが、やっとスタートラインに立てたばかりなので、しっかり準備をして、チームとして固まって、目標のメダルを目指していきたい」とコメントした。

 男子日本代表の最年少は21歳の石田吉平。明治大学3年生である石田は、「最年少で選ばれたことは自分自身嬉しいが、本番のオリンピックでは年齢とか関係ないと思うので、堂々とプレーしたい。自分の持ち味であるランとステップでしっかりチームを引っ張って勝利に貢献したい」と意気込む。

東京五輪ラグビー女子日本代表。マキリHC(中央)と選手たち ©JRFU

 一方、女子で2大会連続出場となるのは小出深冬のみ。リオオリンピックでもキャプテンを務めるなど長くチームをけん引してきた中村知春は東京大会へ向けての候補選手のひとりだったが、最終メンバーには選ばれなかった。
 女子日本代表のハレ・マキリ ヘッドコーチは中村について、「知春のことはとてもリスペクトしている。そのうえで今回選考した」とコメント。セレクションのポイントは、まず選手がチームのためにプレーすることを重視し、そのうえで選手の個性を出せるかどうかを考えたという。
「金メダルを獲りにいける選手を、自信をもってセレクトした。チームジャパンの誇りとプライドを持って、12人がオリンピックで戦う」

 小出や中村らとともにリオを経験した山中美緒は、東京オリンピックの12人枠には入れず、バックアップメンバーに回った。

 女子は半分の6人が大学生で、平均年齢22歳。最多キャップが日本体育大4年の平野優芽(22キャップ)という若いチームとなり、大谷芽生(ARUKAS/立正大3年)、永田花菜(日本体育大3年)、原わか花(東京山九フェニックス/慶應義塾大4年)、弘津悠(ナナイロ プリズム福岡/早稲田大3年)、松田凜日(日本体育大2年)も自国開催のオリンピックで若いエネルギーをぶつける。

 元ラグビー日本代表の松田努さんを父に持つ19歳の松田凜日は、「オリンピックではチームとしてのラグビーをしながら、自分の強みであるステップやフィジカルでのプレーを出してチームに貢献したい」と語った。

 女子のキャプテンは2人で、清水麻有とバティヴァカロロ ライチェル海遥が先頭に立ってチームをけん引する。
 清水は「私たちサクラセブンズ(女子7人制ラグビー日本代表の愛称)の強みは、チームの団結力。東京オリンピックで最高のパフォーマンスを発揮し、メダル獲得を目指したい」とコメント。
 バティヴァカロロは「私たちサクラセブンズは約5年、多くのスタッフ、選手、チームメイトとともにオリンピックでの金メダル獲得という目標を持ち、軸をぶらさず、日々トレーニングに励んできた。全選手の思いを胸に、ここに選ばれた12人のメンバーはオリンピックでベストのパフォーマンスをし、一番いい色のメダルを獲得できるよう、残りの時間、日々精進して頑張りたい」と語った。

新ジャージーを着て。左からヘンリー ブラッキン、本村直樹、清水麻有、バティヴァカロロ ライチェル海遥 ©JRFU

 この日は新ジャージーも発表され、東京オリンピックでラグビー日本代表選手が着るこのジャージーは、渦状の桜(SAKURA)を日の丸に見立て、風を切るようなスピード感、躍動感を一筆書きで描いたデザインとなっている。下地にはラグビー日本代表の象徴的デザインとなった、「力・ならわし・縁起」を意味する日本伝統の吉祥文様を描き、勝利を祈願する。
 新ジャージーのコンセプトは「Blow up the SAKURA サクラの風を吹き起こせ!」。圧倒的なスピードで相手のタックルをかわし、グラウンドで躍動するサクラの勇士たち。その後には、渦状の桜(SAKURA)の風が吹きあがる。そんな姿をイメージしているという。


<東京2020オリンピック ラグビー男子日本代表 内定選手>

石田吉平(明治大学3年/6キャップ)
加納遼大(明治安田生命ホーリーズ/22キャップ)
セル ジョセ(日本ラグビー協会/近鉄ライナーズ/11キャップ)
副島亀里ララボウ ラティアナラ(コカ・コーラレッドスパークス/34キャップ)
トゥキリ ロテ(日本ラグビー協会/近鉄ライナーズ/50キャップ)
羽野一志(NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/29キャップ)
彦坂匡克(トヨタ自動車ヴェルブリッツ/22キャップ)
藤田慶和(日本ラグビー協会/パナソニック ワイルドナイツ/27キャップ)
ヘンリー ブラッキン(日本ラグビー協会/NTTコミュニケーションズシャイニングアークス/-)
ボーク コリン雷神(日本ラグビー協会/リコーブラックラムズ/-)
松井千士(主将/日本ラグビー協会/キヤノンイーグルス/23キャップ)
本村直樹(ホンダヒート/25キャップ)

■男子バックアップメンバー:
合谷和弘(日本ラグビー協会/クボタスピアーズ)
津岡翔太郎(コカ・コーラレッドスパークス)
フィシプナ・トゥイアキ(セコムラガッツ)
野口宜裕(セコムラガッツ)


<東京2020オリンピック ラグビー女子日本代表 内定選手>

大谷芽生(立正大学ラグビー部/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/-)
梶木真凜(自衛隊体育学校/-)
小出深冬(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/19キャップ)
清水麻有(主将/日本体育大学ラグビー部女子/6キャップ)
白子未祐(ナナイロ プリズム福岡/-)
堤ほの花(日本体育大学ラグビー部女子/16キャップ)
永田花菜(日本体育大学ラグビー部女子/8キャップ)
バティヴァカロロ ライチェル海遥(主将/ARUKAS QUEEN KUMAGAYA/21キャップ)
原わか花(東京山九フェニックス/6キャップ)
平野優芽(日本体育大学ラグビー部女子/22キャップ)
弘津悠(ナナイロ プリズム福岡/2キャップ)
松田凜日(日本体育大学ラグビー部女子/2キャップ)

■女子バックアップメンバー:
香川メレ優愛ハヴィリ(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)
黒木理帆(ARUKAS QUEEN KUMAGAYA)
鈴木彩夏 (YOKOHAMA TKM)
山中美緒 (名古屋レディース)

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