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ハイランダーズ姫野、力振り絞るも栄冠獲得ならず。ブルーズが熱闘制し18年ぶりに歓喜!

2021.06.19

決勝でブルーズのレナタに襲いかかるハイランダーズの姫野(Photo: Getty Images)


 ラグビー王国ニュージーランドで挑戦し、誇り高きハイランダーズの一員と認められた姫野和樹。6月19日、聖地イーデンパークで開催された決勝の舞台に背番号8をつけて立ち、勇ましいハカも披露して戦いに臨んだが、惜しくも栄冠には届かなかった。ニュージーランドとオーストラリアのチームがぶつかった「スーパーラグビー トランス・タスマン」の初代王者となったのは、ブルーズだった。ハイランダーズは同国内のライバルに15-23で惜敗した。

試合前にハカを披露したハイランダーズ。いちばん奥(写真上)が姫野(Photo: Getty Images)

 約3万6000人の観客がスタジアムで興奮した熱闘。

 前半6分にSOミッチ・ハントのペナルティゴール(PG)で先制したハイランダーズだが、ブルーズは前半17分、敵陣深くのスクラムでプレッシャーをかけてアドバンテージを得ると、ボールを動かし、SOオーテレ・ブラックからのキックパスを左外でキャッチしたWTBマーク・テレアが逆転トライを決めた。

 姫野はこの試合、8回のボールキャリーで力強く前進したシーンもあり、56分(後半16分)にはブレイクダウンで得意のジャッカル(ターンオーバー)に成功し、チームを鼓舞した。姫野はフル出場とはならなかったが終盤の78分まで奮闘。

 地元オークランドのファンの声援を受けて試合を優勢に進めていたブルーズに対し、ハイランダーズは粘り強いディフェンスを続け、徐々に点差を詰め、67分にはFBジョシュ・イオアネが長いPGを決めゲームをひっくり返した。

 しかし、ブルーズは70分に途中出場のSOハリー・プラマーがショットを成功し、再逆転。77分には敵陣22メートルライン付近でFWがターンオーバーしたあと一気に攻め込み、FLブレイク・ギブソンがトライを決め、勝利を引き寄せた。

接戦となった決勝で終盤にトライを決めたブルーズのブレイク・ギブソン(Photo: Getty Images)
18年ぶりのタイトル獲得で歓喜するブルーズ(Photo: Getty Images)

 ブルーズは2003年に国際リーグのスーパーラグビーで優勝して以来、18年ぶりのタイトル獲得となった。

 姫野は3月26日のハイランダーズデビュー以来、チームの14試合中11試合に出場(8試合先発)し、2トライを記録。ジャッカルも何度も決めて吠え、力強いボールキャリーでも魅せた。優勝トロフィーを手にすることはできなかったが、ニュージーランド国内大会の「スーパーラグビー アオテアロア」で新人賞に選ばれるなど、ラグビー王国で確かな評価を得た。

 姫野は、「決勝戦は負けちゃったが、みんなのことをすごく誇りに思う。懸命にボールを追って懸命にタックルして、みんなで戦った。やり切ったという達成感はある。ただ、優勝できなかったことだけは悔しい」とコメント。言語や文化が違う厳しい環境のなか、タフなチャレンジになることは覚悟していた。そして最後までやり遂げ、貴重な経験をした26歳は、「結果的にすごくいいシーズンだったなと思う。本当に周りの助けがあって、ここまでこれた。いろんな人に感謝したい」と述べ、これからもさらなる成長を期する。

 姫野は決勝を戦い終えたあとすぐ、ヨーロッパへ向かい、すでにスコットランドに到着している日本代表に合流する。休む間もなく、次は桜のジャージーを着てテストマッチだ。日本代表は6月26日にエディンバラのマレーフィールドで、4年ぶりに編成されたドリームチームのブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズに挑む。

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