外角高めに外れるも、力強いボールがキャッチャーのミットを鳴らした。
スタンドからたくさんの拍手が聞こえた。
6月13日、仙台・楽天生命パークでおこなわれた東北楽天イーグルス×阪神タイガースの始球式に、女子15人制日本代表(サクラフィフティーン)候補のマテイトンガ・ボギドゥラウマイナダヴェ(愛称・ライテ)が登場した。
FWを務める立派な体躯を持つ。見事なノーバン投球だった。
セブンズも含め、女子日本代表のオフィシャルスポンサーである青南商事は、毎年、東北楽天イーグルスのホームゲームで「SEINANデー」を実施している。
その縁で、同社は女子ラグビー選手を毎年このイベントに招いている。
この日マウンドに立ったライテはフィジー出身。2011年から女子セブンズ日本代表と女子15人制日本代表に選ばれてプレーしたアスリートだ。
コンタクトプレーに強く、セブンズではタックラーをはね飛ばして走った。
15人制では頼りになるペネトレーターだ。
現在は、予定より1年遅れて来年10月に開幕するワールドカップ2021(ニュージーランド)への出場を目指している。
もともと陽気なライテ。この日はいつも以上に笑顔だった。ボールパークの賑やかさに胸が躍った。
それでもライテは、「日本代表のジャージーを着たら野球場でも気合が入りました」。代表選手の矜持を保ちながらも、「とにかく楽しかった」と特別な場所での時間を味わった。
新しいエナジーを得て、持ち前の突進力がますますパワーアップしそうだ。