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サンウルブズに重圧かけられた日本代表 危機感抱き「ライオンズ戦へ向けいい準備になった」

2021.06.13

サンウルブズ戦で突破を図る日本代表のリーチ マイケル主将(撮影:松本かおり)


「プレッシャーがかかるなかでタフなゲームをしたい」

 試合前からそう語っていた日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチだが、2週間後のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦へ向け、多くの課題が見つかったに違いない。6月12日、静岡・エコパスタジアムでおこなった強化試合で、サンウルブズを相手に苦戦した。ヨーロッパ遠征を前に、負傷者やコンディション不良の選手を除いたスコッド全員にゲームタイムを与えるため、サンウルブズにも日本代表選手は入っていたが、インターナショナルの経験が少ないハングリーな狼たちに牙をむかれ、なんとか勝ったものの、圧倒的な力を示すことはできなかった。

 日本代表にとっては、ラグビーワールドカップ2019の準々決勝以来、1年8か月ぶりの試合だった。

 ジョセフ ヘッドコーチは「長い間試合をできていなかったので、プレー面で雑な部分があった。コンビネーションがうまくいかなかったり、スムーズにいかないことも想定していた」と言うが、特に重要と語っていた試合の入りの部分はうまくいかず、サンウルブズに先制され、前半は3-14で折り返した。
 HOで先発した坂手淳史は、「前半の入りは大きな反省点だと思う。あれをテストマッチですると取り返しがつかなくなる」と厳しく振り返った。

 ジョセフ ヘッドコーチも認めるように、サンウルブズにはパッションがあり、どん欲さがあった。日本代表は2トライを許し、ブレイクダウンでも苦しみ、パンチを食らったかのようにプレッシャーをかけられた。

 背番号6をつけたリーチ マイケル主将は、「最初からブレイクダウンへのプレッシャーがあって、やりたいゲームプランができなくて、それからちょっとずつ崩れてしまった」と反省する。ボールキャリアーはしっかり相手にコンタクトして、すぐに倒れないこと。サポートはもっと早く、しっかりボールに行ってファイトする。テストマッチでは、フィジカルバトルでもっと強さや激しさが求められる。リーチ主将は「すべての局面で意識を上げないといけない。自分たちはいいラックができればいい戦いができる自信がある」と言った。

 前半の反省を後半に修正し、冷静にプレーしてチャンスを作りながらしっかりと得点につなげ、後半に入った選手たちがゲームにインパクトを与えたことは収穫だったか。ジョセフ ヘッドコーチは「プレッシャーをいかに乗り越えて自分たちのやりたいプレーをやっていくか。そこを試したかった。ライオンズ戦へ向けていい準備になったと思う」とコメントした。

 リーチ主将は、「準備に関しては一人ひとり、一生懸命、自分たちのラグビーを意識してやってきている。プロセスもついてきている。いま一番の課題は、やってきたことを試合で出すこと。そこは意識しなきゃいけない。実行の部分がちょっと足りていない」と語り、ライオンズ戦へ向けて改めて気を引き締めていた。

 日本代表は16日にヨーロッパへ出発し、26日にスコットランドのエディンバラ(マレーフィールド)でブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズに挑戦する。イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの一流選手を集めて編成されるドリームチームに、一生に一度の機会と言われるビッグチャレンジだ。そして、7月3日にはダブリン(アビバスタジアム)で、ワールドカップのリベンジに燃えるアイルランド代表とテストマッチをおこなう。日本代表にとって、どちらもタフなゲームになることは間違いない。

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