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ジャパンにとっては絶対に負けられないサンウルブズ戦。「プレッシャーをはね返すだけの準備はしてきた」

2021.06.11

ティア1国のスタンダードを示したい。日本代表、リーチ マイケル主将。(撮影/松本かおり)

PR稲垣啓太は「自分たちでコントロールできることはしっかりやる」。(撮影/松本かおり)
「いまの力をしっかり出すことが大事」とSO田村優。(撮影/松本かおり)
テストマッチのつもりで戦うサンウルブズのエドワード・カーク主将。(撮影/松本かおり)



 2019年のワールドカップでアイルランドを破った思い出のスタジアム(静岡・エコパ)で、6月12日、日本代表が約2年ぶりのキックオフを迎える。

 試合前日の同11日、選手たちは午前中にキャプテンズランを終えた。サンウルブズとの強化試合に6番で先発するキャプテンのリーチ マイケルは、「別府での合宿で準備してきたものを出したい」と話した。

 約2週間のうちに積み上げてきたのは、選手間のコネクトと、ティア1国チームとしてのスタンダードだ。
 いくらトップリーグのレベルが上がったとはいえ、その強度などで戦っていてはインターナショナルでは戦っていけない。

 まもなく始まる海外遠征で戦うのは、欧州の精鋭たちが集うブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズだ。
「トップリーグのスタンダードやクセでプレーしてはダメ。練習でやってきたこと、ミーティングで話したことを、実際に試合でやることが大事」
 リーチ主将は、そう話した。

 PRの稲垣啓太はスクラムについて、別府での練習ではゲームシナリオという言葉が多く出たと言った。
 世界一のスクラムを組むことを目指す日本代表。点差、エリア、時間帯などを考えて組めるパックになることも、世界一のスクラムの要素と考えている。

 経験豊富な1番は、1日後に迫った試合について、「楽しみはない。全選手、プレッシャーがかかっていると思う」と話した。
「サンウルブズの立場と、(絶対に負けられない)日本代表の立場では、かかるプレッシャーが違う」
 しかし、「それをはね返すだけの準備はしてきた」と覚悟を示した。

 司令塔の田村優は、「久しぶりに集まったチームなので、練習でやってきたことを出すのが大事。できること、できないことがあると思いますが、しっかり力を出し切れば、(経験を)積み上げていける」とした。
 準備してきたことは、対ライオンズのプランではなく、サンウルブズと戦うためのもの。2019年のワールドカップメンバーが多いが、新しいメンバーもいる。連係を密に取りながらの思い切ったアタックが期待される。

◆日本代表、サンウルブズの出場予定メンバーはこちら

 対するサンウルブズも、試合前日練習を試合会場のエコパでおこなった。
 ここまでの準備期間はアタックに時間を費やしてきたが、この日は練習の冒頭にディフェンスを確認する時間も。ゆっくりとした動きながら、ポジショニングなどについてコミュニケーションをとっていた。

 準備期間を通じてトレーニングの先頭に立ってきた沢木敬介コーチングコーディネーターは、「ジャパンにとってはライオンズと戦うための重要な試合。質と強度の高いラグビーをやりたい」と言ってサンウルブズ側の空気を、こう伝えた。
「(自分たちは)かませ犬ではない、というエネルギーのあるチーム。サニーズの文化である、ボールを動かして、見ていても楽しい展開に持っていきたい」

 エドワード・カーク主将は、「自分にとってはテストマッチと思って戦う」と気持ちの昂りを伝えた。
「日本代表のラグビーと、サンウルブズのエキサイティングなスタイルがまざったようなプレーをしたい。勝ちたい。勝ちにいく」
 両チームが自分たちの強みを出して攻め合う80分が展開されそうだ。

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