ラグビーリパブリック

日本代表へ大きな挑戦。「サンウルブズは、一人でも多くの選手が代表をつかみにいくためのもの」

2021.06.10

トイメンはサントリーの主将を務める中村亮土。燃えるCTB梶村祐介。(撮影/松本かおり)

ハードワーカーのLO秋山大地。いつも通り、泥臭く戦う。(撮影/松本かおり)



 サンウルブズにとって、この試合における成功はなんなのか。勝利。日本代表を本気にさせる。いろいろ考えられるだろう。
 冒頭の問いに、チームを率いる大久保直弥ヘッドコーチ(HC)は、こう答えた。
「一人でも多くの選手が代表をつかみにいくためにサンウルブズはある」
 それぞれが飢えた狼になって、自分のターゲットに食らいつくイメージだろうか。

 6月12日に静岡・エコパで日本代表と戦うサンウルブズは、6月10日午前に静岡県内でトレーニングをおこなった。
 そして、午後に試合出場予定メンバーを発表。その後、大久保HC、CTBで先発する梶村祐介、ベンチスタートの秋山大地がオンラインで取材に応じた。

 大久保HCは、サンウルブズのアイデンティティとして、「コーチ陣が大枠を作り、選手たちが作り上げていくチーム」とし、「寄せ集めでなく、チームとして良い準備ができている」と話した。
 この日のトレーニングにも良い空気が流れていた。キックを蹴った後、キックを受けた後のプレーや、サインプレーの確認が、細やかなコミュニケーションの中で進められていた。

 短い準備期間も、集合初日から時間をともにしてきたメンバーもいれば、日本代表の別府合宿から加わった選手もいる。個々のモチベーションもそれぞれだ。
 しかし、誰もが国内のトッププレーヤー。大久保HCは、「みんな高いスキルやスピードを持っている選手ばかりですが、インターナショナルレベルでやっていくには、適応力がなければ生き残っていけない」と話し、今回集まってくれている選手について、十分な力を持っているとした。

 梶村は、「今季所属するサントリーでの出場時間が短かったので、自分を成長させる機会と思っています。あまり日本代表を意識しないでプレーしたい」と話した。
 しかし向上心と負けん気の強い男は、こう続けた。
「この試合の評価が少なからず秋(の日本代表)につながると理解しています。(サンウルブズとしての)準備期間は短いですが、トップリーグで準備してきたものをしっかり出したい」
 SO山沢拓也と自身がコミュニケーションのとれたプレーをするところに、スピードとスキルのある13番のディラン・ライリーが絡んでおもしろいラグビーができると思うとも話した。

 秋山はこのチームに参加して、全員がよく喋ることに驚いたという。一人ひとりが積極的に発信し、コミュニケーションのとれた集団には良い空気が流れていると話した。
「自分の持ち味は、80分、泥臭いプレーをやり続けること。それを出し続けたい」
 ハードワーカーであるLOは、「ワールドカップでベスト8になったチームと試合できるのは、チームにとっても、個人としても大きなチャレンジ」と力を込めた。

 サンウルブズの誰もが、きっと同じ気持ち。狼たちが牙を剥くことが楽しみだ。

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