強い日差しの中、千葉県柏市の麗澤ラグビー場で熱戦が繰り広げられた。
5月30日、リージョナルウィメンズセブンズ2021 関東大会の最終日がおこなわれた(4チーム参加)。太陽生命ウィメンズセブンズの下部大会の位置付けも(今季は入替戦は実施されない)、特に決勝は高いレベルの攻防が繰り広げられた。
横河武蔵野Artemi-Stars(アルテミ・スターズ)とBRAVE LOUVE(ブレイブルーヴ)が対したファイナルは、互いに持ち味を出し合う14分間だった。
15人制日本代表選手複数人を擁し、接点に強いアルテミ・スターズは、ブレイクダウンでのターンオーバーから何度も攻めた。ルーヴは安尾琴乃を中心に果敢に仕掛けて対抗した。
トライ数は両チームとも3つずつだった。
先制したのはアルテミ・スターズ。立ち上がりから積極的に攻めるルーヴのチャレンジを粘り強く受け止め、ターンオーバー。トランジションの反応も良く、いっきにトライを奪った(3分/5-0)。
直後のリスタートのキックオフボールを受けたところから攻めたルーヴにトライ、ゴールを返されるも(4分/5-7)、前半終了間際にふたたびターンオーバーから攻め込む。
最後は中山潮音がインゴールに入り(Gも成功)、12-7とリードしてハーフタイムを迎えた。
アルテミ・スターズにとって大きかったのは、後半、先に得点して差を広げたことだ。
2分、PKから速攻を仕掛ける。右サイドを名倉ひなのが走り、トライラインまで走り切った。ゴールも決まり、スコアを19-7とした。
ルーヴも最後まで粘った。
後半4分にはブレイクダウンでジャッカル。相手の反則を誘うとPKからすぐに攻めて中村紘子主将がトライ(19-12)。6分過ぎには安尾のキックパスを受けた近藤夏帆がインゴールに入った(19-17)。
しかし、僅かに届かなかった。
優勝したアルテミ・スターズの櫻井綾乃主将は、「途中、追いつかれそうになったけど、いつも通りのプレーをできれば点を取れるし、取られない、と。平常心で戦いました」と話した。
小林花奈子など今春から加わった新戦力について「パンチ力がある」と評し、新しいアルテミ・スターズを築き上げていきたいとした。
主将自身は15人制女子日本代表候補にも名を連ね、減量すべきかどうかなど、セブンズ仕様のコンデイションを整えることが難しかったという。
結局体重はそのまま、スピードとテンポを高めてチームに貢献した。
チーム創設以来、仲間を束ねてきた南早紀主将の跡を継ぐ。
日本女子ラグビー界のトンプソン ルークと呼ばれる働き者のリーダーシップには今後も注目だ。「コネクト」をスローガンに、一体感のあるチームへと導く。