ラグビーリパブリック

新しい環境を求めてホンダ退団の具智元 日本代表ではライバルからも学ぶ

2021.05.30

別府合宿2日目の具智元。ようやく他のプロップも合流し、スクラム練習が楽しみ(撮影:筒井剛史)


 ラグビーワールドカップ2019で桜のジャージーを着て活躍し、特にスクラムで勝ったあとの雄叫びが印象的だった具智元(グ・ジウォン)は、さらなる成長を目指し、今年5月、4年間在籍したHonda HEATを退団した。

「環境を変えたいと思ったんです。普段の練習から厳しい環境でやって、もっともっと成長したいなと思い決めました。移籍先についてはいろいろと話をしている段階ですが、自分がこれから伸びるようなところ、プレー面でも学ぶことがいっぱいあるところでやっていきたいと思っています」

 26歳のプロップ。2023年のワールドカップへ向けても期待されるひとりであり、現在、日本代表の別府合宿に参加中だ。トップリーグのプレーオフ決勝を戦ったパナソニック ワイルドナイツとサントリーサンゴリアスの選手が遅れて合流したため、「あした(5月30日)からスクラム練習は始まると思います」と楽しみにしている。

 スクラム担当の長谷川慎コーチからは、「日本代表のスクラムを早く思い出して、もう一回、いいスクラムを組もう」と自信になるような言葉をもらった。ワールドカップで一緒にプレーした稲垣啓太や坂手淳史らと再びフロントローで組めることも楽しみで、新しいライバルの存在もいい影響を及ぼしそうだ。
「垣永(真之介)さんとか同じポジション(右プロップ)ですごく強くて、経験も自分よりある。スクラムとか、横で学びながらやっていきたいと思っています」

 2019年のワールドカップでは強力スクラムも勝因となってベスト8入りを果たした日本代表だが、2023年の大舞台へ向け、スクラムはもっと鍛えなければならないと具は言う。
「前回のワールドカップで日本代表のスクラムはすごくよかったですが、(準々決勝の)南アフリカ戦ではプレッシャーを受けた。そういうことがないようにもっと強いスクラムを覚えないといけません。あと、個人的には、前よりもワークレートを上げたいです。セットプレーだけではなく、そういうところもしっかり上げていきたい」

 6月26日には、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドの一流選手を集めて4年に一度編成されるブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズと対戦する。具は、「人生で1回あるかないかのチャンス」と挑戦へ意欲を燃やす。特に、スクラムはビッグチャレンジだ。
「みんな大きくて力があって、日本より背が高いと思うので、自分たちはしっかり8人で固まって、相手より速く低く姿勢を取って挑みたいです」
 ライオンズ戦も、具にとって大きな財産となるはずだ。

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