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日本代表の頼もしいリーダーたち ラブスカフニ「小さいことをしっかりやる。それが大事」

2021.05.28

日本代表の別府合宿が始まり、模範となるピーター“ラピース”・ラブスカフニ(撮影:筒井剛史)


 6月下旬のブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ戦、そして、2023年のワールドカップへ向け始動した日本代表には、リーチ マイケル主将以外にも頼もしいリーダーが何人もいる。ピーター“ラピース”・ラブスカフニもそのひとり。2019年のワールドカップ日本大会ではアイルランド戦とサモア戦でゲームキャプテンを務め、仲間からの信頼は厚く、親しみやすい人柄でファンの人気も高い。

 5月26日に始まった別府合宿では、率先してチームメイトを鼓舞する。
「みんなに伝えたのは、小さいことをしっかりやっていこうということです。フィットネステストなどでは、ターゲットをしっかりクリアすること。掃除など、自分たちでできることもきちんとやる。小さいことの積み重ねが大きなことにつながっていくと私は考えています」

 ワールドカップでベスト8入りを果たし、リーチ主将は「自分たちはティア1のチーム」と意識して行動することが重要だと言った。さらなる高みを目指すには、世界トップクラスのスタンダードでやっていかなければならない。
 ラブスカフニも同意する。
「自分たちはしっかり成長していかなければなりません。このまま同じ場所にいては、後退してしまう。常に成長して、前に進んでいくことが大事です」

 日本代表は6月26日、イングランド、スコットランド、ウェールズ、アイルランドのトッププレーヤーを集めて4年に一度編成されるドリームチームの「ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズ」とマレーフィールド(スコットランド)で対戦する。ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズは原則的に、4年ごとに南半球の南アフリカ、オーストラリア、ニュージーランドへ順次遠征して試合をおこなうため、日本代表がチャレンジできるのは特別なことで、歴史的な一戦となる。ラブスカフニも、ライオンズ戦への思いは強い。

 2009年、ブリティッシュ&アイリッシュ・ライオンズはラブスカフニの母国である南アフリカへ遠征した。当時20歳でアマチュア選手だったラブスカフニは、ジョハネスバーグのエリスパークでおこなわれた試合を観に行ったという。「すごく素晴らしい雰囲気のなかで選手がプレーしていたのを覚えています」。のちにチーターズでチームメイトとなる親友のハインリッヒ・ブルソーが南アフリカ代表として出場し、ライオンズ戦で大ブレイクしたのが記憶に残っている。
 今度は自分が、日本代表として対戦できるチャンス。
「本当に特別な機会だと思っています。しっかり準備をして、チームとしていいパフォーマンスが出せるようにしたいです」

 現在32歳のラブスカフニ。ジャパンラグビートップリーグではクボタスピアーズの一員としてハードワークを続け、2021シーズンはベストフィフティーンに選ばれた。リーダーシップも高く、日本代表の中心選手として2023年のワールドカップへ向けて期待する声も多い。

 しかし、先を見すぎるのではなく、いまをしっかりやることが重要だと強調する。
「次のワールドカップまではまだ長い道のりがあり、明日は約束されたものではありません。今日にフォーカスして、いまを一生懸命やり、日々のトレーニングに集中することが大事です。これから自分たちのプレースタイルというものを、たくさんの練習をして築き上げていかなきゃいけない。そこはいままでやってきたことと変わりません。しっかりいい練習をして、築き上げていくことが重要だと思います」

 頼もしいリーダーたちの存在が日本代表の強みである。

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