ニュージーランドとオーストラリアのチームが対戦する「スーパーラグビー トランス・タスマン」は第2節を迎え、姫野和樹が所属するハイランダーズは5月21日、西オーストラリア州のパースにあるHBFパークでウェスタン・フォースと対戦し、25-15で勝った。ハイランダーズはこれで2勝0敗(総勝点9)となった。
過去5試合連続で背番号8をつけた姫野だが、この日はベンチスタート。60分(後半20分)からNO8ヒュー・レントンに代わって出場すると、すぐに、力強いモールドライブの一部となってゴールに迫り、CTBスコット・グレゴリーのトライにつなげた。その後も献身的にプレーし、チームの勝利に貢献。
74分にボールを持ってゴールラインを割ったシーンもあったが、その前に、タックルされたあとボールを離さなかったとレフリーに判断され、反則でトライは認められなかった。
それについて姫野は、「バインドされてないし、タックル成立してないから、ボールを置かなくても立ちあがれるなと思っていた。レフリーには『ノータックルでしょ』と言ったが……。せめてTMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)にかけてほしかったというのが正直なところ。でも仕方ない」と振り返った。
スターティングメンバーから外れ、3月26日のデビュー戦以来となる6試合ぶりのリザーブになったことについて訊かれると、「スタートでもリザーブでもやることは変わらない。自分のパフォーマンスに集中してしっかりプレーするだけ。チームが勝てればそれでいい」とコメント。だがこれも貴重な経験だと考えており、「フレッシュな状態で入るので、出し惜しみなく20分フルに動き続けようと意識していた。リザーブでどういうインパクトを残すかというのは、今後の自分の成長においても大事だと思うし、いい経験だと思う」と語った。
ニュージーランド国内大会の「スーパーラグビー アオテアロア」が終わったあと、短いブレイク期間をはさんで「スーパーラグビー トランス・タスマン」が始まり、パースへの移動は乗り継ぎ3回で計10時間ほどかかったとのことで、疲労を感じているという姫野。しかしこれも、自分が望んでいたものだ。
準々決勝まで進んだ2019年のワールドカップ日本大会で日本代表の5試合すべてに先発して奮闘したが、パフォーマンスを維持できなかったことが反省として残った。だから、一試合一試合がテストマッチのような強度の高い試合を、長距離移動も重ねながら毎週こなさなければならないスーパーラグビーでの挑戦は、大きな意味がある。
「タフなゲームを何回も何回もやって、自分のパフォーマンスをどんどん出していくというのが僕のやりたいことなので、いいチャレンジになっていると思う」
5月24日には2021年度の日本代表メンバーが発表されるが、選出が予想される姫野は、いまやるべきことに集中する。
ハイランダーズは次節(5月30日)、地元オタゴのクイーンズタウンでメルボルン・レベルズと対戦する。