2019年に日本代表がアイルランドを破った静岡・エコパで初めて開催された太陽生命ウィメンズセブンズシリーズをMIE PEARLS(三重/以下、パールズ)が制した。
5月16日におこなわれたカップトーナメント(最上位グループ)決勝で東京山九フェニックスを19-12と破った。
前日のプール戦3試合で、総得点90、総失点19と安定した戦いぶりを見せたパールズは、トーナメントに入っても初戦の自衛隊体育学校PTSを47-0と圧倒する好調ぶりだった。
準決勝のRKUグレース戦こそ手こずるも、7-5と均衡したスコアから庵奥里愛が2トライを奪って決勝進出を決めた(19-5)。
ファイナルは試合の入りが素晴らしかった。
キックオフボールを受けたパールズは、一人ひとりがボールを持つと前に出た。左右に攻めながら好機を待つ。試合開始から1分15秒攻め続け、最後は右サイドを保井沙予が走り切り、先制トライを取った。
さらに3分にはラインアウトから攻め、ジョージア・ダールズがタックルを振りほどいて追加のトライを奪った(前半12-0)。
後半に入っても、ティマイマ・ラヴィサがラックサイドを突いて加点するとスコアは19-0と開いた(1分)。
その後、規律が乱れて5人になる時間帯もあったが、フェニックスの反撃を2トライに抑えて勝利を手にした。
大会MVPに選ばれた山本実共同主将は、表彰式の写真撮影の際に涙を流して優勝を喜んだ。
今季初戦の東京大会では5位に終わった。その結果を振り返った時、敗因はピッチの上だけでなく、オフ・ザ・フィールドにもあると考え、クラブ全体のコミュニケーションをあらためて高めて今大会に臨んだ。
山本共同主将は、「プレーしている選手たちは、クラブの代表で、さらに(登録の)12人の中から選ばれた選手たち。その気持ちを大事に戦いました。前大会は、自分たちの持っているものを出せずに自滅した。それだけは繰り返したくなかった」と気持ちの充実がいちばんの勝因とした。
ファイナルでのロケットスタートは、準備とメンタルが支えていた。
敗れたフェニックスは、「自分たちがやらなければいけないことをやられた」と悔やんだ。
大会の主将を務めた鹿尾みなみ主将はそう話し、「今大会はディフェンスで粘れたことが勝ち上がれた結果に結びついた」と振り返った。
3位には2019年大会の年間王者、ながとブルーエンジェルスが入り、RKUグレースが4位に。
5位に入った自衛隊体育学校PTSのゲームキャプテン、石井寿依は、「私たちのチームにとって5位は、この大会での最高位。自衛隊らしく思い切って自分たちのアタックを出した結果。嬉しいです」と喜んだ。