TJ・ペレナラが、古巣であるSRハリケーンズへ復帰することになった。
最後のトップリーグがここまで面白いのは、NTTドコモの躍進にほかならない。ペレナラは、その最大の貢献者と言っていいだろう。
ペレナラが出場した全9試合を、ラグマガ厳選の写真とともに振り返りたい。
第1節 vs キヤノン 〇26-24(80分間フル出場)
前半5分過ぎ、自陣ゴール前スクラムのピンチを救うタックルを決める。後半18分には来日初トライをマークした。そのほか緩急自在のパスさばきや正確な判断、陣地挽回のキックなど、開幕戦からその凄みをいかんなく発揮。ロスタイムの逆転勝利に貢献した。
第2節 vs NEC 〇38-19(後半36分まで出場)
前半35分、WTB山本貫太のトライをゴロパントでアシスト。5点差に詰められた後半27分にはマイボールのラインアウトは乱れるも、こぼれ球を拾ってトライ。31分に2トライ目を挙げて、試合を決めた。マン・オブ・ザ・マッチに選ばれて2連勝に貢献。
第3節 vs リコー 〇22-17(80分間フル出場)
前半37分、ゴール前でトライセーブを決める。直後にWTB小林正旗がインターセプト。そのまま小林が走り切って、リードで折り返した。後半に再度逆転を許すも、試合終了間際にハーフウェーラインから独走トライを決めて、逆転サヨナラ勝利。3連勝の快進撃を支え、その活躍から「ペレナラ劇場」と呼ばれた。
第4節 vs パナソニック ●13-26(後半39分まで出場)
パナソニックとの全勝対決。相手の堅守に阻まれトライシーンこそ少なかったが、この日もひたむきに動き続けるレッドハリケーンズの中核を担った。レフリーへのアプローチにも長け、相手HOの堀江翔太から「レフリーがあまりにも(TJに)流され過ぎだったので、こちらも話しかけました」と言わしめた。
第5節 vs 日野 〇26-25(80分間フル出場)
1敗で迎えた日野戦。またも接戦をものにした。前半32分にはWTB茂野洸気、FB高野祥太が突破したところにピタリとサポート。ジャッカルされかけたところを何とかめくって、そのまま持ち出しトライを決めた。後半21分の逆転シーンも、起点となったのはペレナラのキックチャージからだった。
第6節 vs ヤマハ ●21-33(80分間フル出場)
前半ヤマハに大きくリードを許したが、後半はドコモの時間だった。FBマピンピがシンビンで14人となるも、直後にペレナラが仕掛けてCTBサミソ二・トゥアのトライをアシスト。連続トライで点差を詰めて、その後も攻め続けたが逆転には至らず。
第7節 vs 神戸製鋼 ●29-31(80分間フル出場)
昨季、0-97で敗れた神戸に肉薄。ペレナラは前半13分、スクラムからブラインドサイドを突き、自らトライを決めた。前半終了間際にはトライセーブも。試合終了間際に逆転を許したが、その存在感を見せつけた。
プレーオフトーナメント2回戦 vs Honda 〇21-13(後半30分まで出場)
ドコモを初のベスト8に導いた。後半17分、混沌とした状況でFBトム・マーシャルのゴロパントをCTBベンジャミン・ソーンダースが確保し、オフロードパスをサポートしていたペレナラが受け取りトライを挙げた(この1トライが結果的に大きかった)。
プレーオフトーナメント準々決勝 vs トヨタ自動車 ●29-33(後半41分まで出場)
逆転負けを喫したが、トヨタ自動車を必死にさせた。この日も高いパフォーマンスを披露。ドコモとしては今季初の九州遠征とあり、熊本・えがお健康スタジアムに駆けつけた2534人のファンを喜ばせた。
サバティカルを利用して来日したペレナラ。だが、その活躍、貢献は決して「サバティカル」ではなかった。9試合すべてに先発し、5試合はフル出場。残りの試合も終盤までピッチに立ち続けた。
ありがとう、ペレナラ。
ニュージーランドでの活躍を願うとともに、また日本でその勇姿が見られる日を待ちたい。