2季ぶりに開催された関東大学春季大会は、5月9日にAグループの第2戦を迎えた。早大の上井草グラウンド(無観客)では、ともにシーズンの初戦となった早大と東海大が対戦。最高気温が25度を超える炎天下で行われた試合は前半こそ拮抗した。だが東海大が後半開始早々に逆転。そのまま突き放して、48―26で快勝した。
◆初陣となった早大・大田尾竜彦監督とデビューを飾った1年の佐藤健次
前半開始早々、チャンスを掴んだのは早大だった。
1分、3分と敵陣22㍍ライン内でラインアウトの機会を得る。だが、いずれもジャンパーの頭を越えてスコアにつなげることができなかった。
逆にジャッカルで自陣を脱出した東海大は6分、SO武藤ゆらぎが中央で抜け出し、最後はCTB丸山凜太朗がトライ。先制に成功した(5―0)。
その後も早大のセットプレーは東海大のプレッシャーに押されて、不安定なシーンが続いた。FL相良昌彦は「点数通り苦しめられた」と語る。
それでも21分にSO吉村紘→CTB長田智希主将→WTB堀尾健太と細かくパスがつながり、堀尾がそのまま突破した。4年の堀尾は初のAチーム出場をトライで飾った。
逆転した早大は続く26分にもトライを挙げたが、39分に東海大がラインアウトモールで押し込み、前半を早大14―12東海大で折り返した。
前半こそ接戦となったが、後半は東海大が攻め立てた。東海大は先発15人のうち10人が4年生で、残りの3年生以下もAチームで戦ってきた主力メンバーが揃う。充実した先発陣の安定感が増した。新主将のFLジョーンズ・リチャード剛は「前半は自分たちのペナルティで苦しんだが、後半はそれを修正できた」と話す。
4分にCTB丸山が2トライ目を挙げて逆転すると、11分にはゴール前で絶妙なショートパントを上げてFB酒井亮治のトライをアシスト。26―14と引き離した。
これまでSOを務めた丸山は初の12番での先発となったが、「自分の持っている力を100㌫出そうと思っていた。多少できたと思う」と語った。
東海大はセットプレーに加え、ブレイクダウンでも圧力をかけ続けて試合を優位に進めた。後半だけで5トライを奪って快勝。木村季由GM兼監督はこう総括した。
「最初のゲームだったので春からしっかり取り組んできたコンタクト、ディフェンス、セットプレーなど、準備してきたことをチャレンジしていこうと臨んだ。早稲田さんの攻撃にペナルティを重ねて苦しい時間帯もあったが、しっかり体を当てられていたので前向きに次に生かしていきたい」
一方の早大は黒星スタートとなったが、自陣からでもワイドに展開するアタックは有効なゲインがいくつも見られた。大田尾竜彦 新監督は「春から取り組んできたところでは、東海大学さん相手でも戦えていたので満足している。今までやってきたことを信じて何も疑わずにやっていきたい」と話した。