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明大68-29流経大。メイジが走り勝って春季大会2連勝。運動量と選手層をアピール!

2021.05.10

昨年は大学選手権4強、王座奪還を目指す明大(撮影:矢野寿明)

 全国大学選手権で昨季まで4シーズン連続4強以上の明大は、5月9日、東京・明大八幡山グラウンドで関東大学春季大会・Aグループの流経大戦を68―29で制した。大会2連勝を決めた。史上最高位が全国8強という流経大はこの日が大会初戦で、0勝1敗となった(5月2日の慶大戦が開催中止となっていた)。

◆流経大(白)は昨年まで4期連続で大学選手権8強入り

 先制は流経大。明大が自軍キックオフを確保して攻めるも、対するWTBイノケ・ブルアがミスボールを拾って約70メートル、独走。前半1分までに5―0とした。

 序盤の流経大の防御に対し、明大は強風を真っ向から受けていたこともあってかやや攻めあぐねる。しかし自陣からの展開、ペナルティーキック取得後のクイックリスタートで徐々にボディーブローを利かせる。

 17分に敵陣ゴール前右ラインアウトからの攻めで7―5と勝ち越すと、続く23分、敵陣中盤の中央でのスクラムからサインプレーを決めて14―5とリードを広げた。ここで2本連続トライの児玉樹は、アウトサイドCTBとしてバックフリップパスでもチャンスを生んでいた。

 以後、明大は運動量で流経大を凌駕する。

 両軍が点を取り合い21―10となっていた33分には、WTBの松本純弥が自陣22メートル線付近右から蹴り込み、そのボールを敵陣中盤右で確保。以後は味方が左中間のスペースをえぐり、FLの森山雄太が止めを刺した。ゴール成功で28―0。

 さらに35分頃には、自陣中盤左での相手ボールスクラムからフリーキックを獲得。速攻。敵陣ゴールラインまでの約70メートルもの距離を、複層的な陣形と個々のランニングスキルで攻略する。

 最後は好ゲームメイクで魅したSOの伊藤耕太郎が右タッチライン際を大きく破り、サポートについた児玉とともにSHの飯沼蓮主将のトライをお膳立てした。直後のコンバージョンも決まり、得点は35―10となった。

 35―17のスコアで迎えた後半も、明大はメンバーを入れ替えつつ点差を広げる。

 WTBで先発の金昴平は序盤から自陣ゴールエリアまで駆け戻るバッキングアップ、防御の裏へのキックで際立ち、ハーフタイム後は本職のFBで軽やかに駆けた。32点リードの後半22分には、自陣22メートル線エリア左中間からのライン参加と大外へのパスで松本のトライをお膳立てした。54―17。

 後半18分から登場した左PRの中山律希はスクラムや突進、LOの木戸大士郎はタックルとゲインラインへの駆け込みで光った。2人の位置でスターターを務めていた中村公星、亀井茜風もセットプレーを安定させていたとあり、選手層の厚さがにじんだ。中山のトライが決まったのは試合終了8分前で、直後のゴール成功でスコアは61―24となった。

 流経大は続く37分にブルアがこの日2つめのトライを挙げて61―29としたが、反撃はここまで。ノーサイド後はグラウンドの脇で車座となり、内山達二監督からこんな旨で檄を飛ばされた。

「いつも通りのことをしていたら、いつも通りの結果になるよ。チェンジするよ!」

流経大(白)は昨年まで4期連続で大学選手権8強入り(撮影:矢野寿明)