ジャパンラグビートップリーグ2021の優勝争いで、4強の最後の枠に入ったのはクボタスピアーズだった。静岡・エコパスタジアムで5月9日、神戸製鋼コベルコスティーラーズとプレーオフトーナメント準々決勝を戦い、23-21で死闘を制した。クボタはトップリーグで初のベスト4入り。
一方、トップリーグ初代王者で2018年度もチャンピオンになった神戸製鋼は、リーグが新しくなる前最後のシーズンも優勝を目指したが、準々決勝で姿を消すことになった。
クボタは序盤にリードを奪った。前半3分、主将のCTB立川理道が突破してチャンスメイクし、NO8バツベイ シオネにつなぎ先制トライが生まれた。9分にはLOルアン・ボタが中央をブレイクスルーし、つないでWTBタウモハパイ ホネティがフィニッシュ。24分にはSOバーナード・フォーリーがペナルティゴール(PG)を決め、17-0とした。
しかし29分、クボタのフォーリーが危険なタックルでレッドカードを提示され、一発退場となり流れが変わる。
クボタは14人になってもディフェンスは粘り強かったが、数的有利の神戸製鋼は39分、壁に穴をあけたLOチャン・ソクファンからパスをもらったSOヘイデン・パーカーが抜け、トライを奪い10点差にして折り返した。
後半、クボタが最初にPGで3点を追加したものの、追う神戸製鋼は63分(後半23分)、途中出場のSOアーロン・クルーデンが抜け、サポートについていたSH日和佐篤がゴールへ走り切りトライ。コンバージョンも決まり6点差とした。
勢いが出てきた神戸製鋼は70分にも攻め込み、CTBアタアタ・モエアキオラが蹴ったボールをチェイスしたWTB山下楽平が競り勝ち、トライ。元ニュージーランド代表のクルーデンが厳しい角度からのコンバージョンを決め、逆転した。
しかし75分、神戸製鋼に反則があり、1点ビハインドのクボタはPGを選択。日本代表候補でもあるWTBゲラード・ファンデンヒーファーがこれを決め、再びリードを奪った。
そして残り時間、クボタはボールをキープし続けてリードを守り切り、死闘を制した。
勝ったクボタは一週間後の5月16日、東大阪市花園ラグビー場でおこなわれる準決勝でサントリーサンゴリアスと対戦する。
サントリーは9日にリコーブラックラムズと準々決勝を戦う予定だったが、リコーで22人の新型コロナウイルス感染症陽性者が確認され、キックオフ予定時間の48時間前までに試合登録に必要な選手(23人)が揃わないことが確定したため中止が決定。その後、「ジャパンラグビー トップリーグ規約」第39条に基づき判断した結果、サントリーの準決勝進出が決まった。16日の準決勝については、7日時点で両チームとも選手登録が可能と判断したが、リーグ戦における順位がサントリー(レッドカンファレンス1位)がリコー(ホワイトカンファレンス4位)より上位だったため、サントリーが準決勝進出となった。
なお、準決勝(2試合とも花園で開催)は、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の延長に伴い、大阪府がイベントについては引き続き無観客での開催を要請していることを受け、日本ラグビー協会は無観客で開催することを決定している。