クイーンズランド・レッズが10年ぶりの優勝に歓喜した。
オーストラリアの国内チャンピオンを決める「スーパーラグビー AU」のプレーオフ決勝が5月8日、ブリスベンのサンコープスタジアムでおこなわれ、約4万2000人の大観衆の前で、レギュラーシーズン1位通過のレッズが前年王者のブランビーズに19-16で逆転勝ちし、栄冠に輝いた。
レッズはスーパーラグビーが国際大会として実施されていた2011年に優勝して以来のタイトル獲得である。2018年にヘッドコーチに就任し若い選手たちを育ててきたブラッド・ソーンにとっては、レッズ指揮官として初優勝となった。
レッズはブランビーズの堅守をなかなか崩せなかったが、今季得点王でMVPにも選ばれたSOジェームズ・オコナーがペナルティゴールでスコアを重ね、リードするブランビーズに食らいついた。
そして12-16で迎えた78分(後半38分)、猛攻を続けるレッズに対し、ブランビーズが反則を犯し、レフリーはLOダーシー・スワインに退出を命じた。直後、レッズは敵陣深くでのラインアウトを乱し、万事休すかと思われたが、その1分後、今度はブランビーズが自陣22メートルライン内でラインアウトを失敗し、レッズがボールを確保して再びチャンス到来。怒涛の攻撃を繰り返すレッズに対し、ブランビーズは懸命に守るも、またも反則でFLルーク・ライマーにもイエローカードが出て、13人になってしまった。
試合時間の80分を超えても激しい攻防が続き、ブランビーズの守りはしぶとかったが、数的有利のレッズは85分、FWがゴール前でパワープレーを挑んだあと、ボールを手にしたオコナーが劇的な逆転トライを決め、サンコープスタジアムは熱狂と歓喜に包まれた。
5月14日からはニュージーランド勢と戦う「スーパーラグビー トランス・タスマン」がキックオフとなり、オーストラリアの王者となったレッズにファンの期待は高まる。