ラグビーリパブリック

日大FL井上風雅、メイジ相手に持ち味発揮。キャリア初のHOに挑戦中

2021.05.05

昨年はルーキーにして起用も受けるが、定着できず。その悔しさも今、原動力に(撮影:髙塩 隆)

 切れ味鋭い低空タックル、パワーと技を兼備するボールキャリー、粘り強いジャッカル。日大のFL井上風雅が豊富な活動量で動き回った。

◆今年はHOに挑戦する。その負けん気はスクラムでも武器になる

 5月2日に日大稲城グラウンドでおこなわれた関東春季大会Aグループの明治大学戦。2年のFL井上は、先発FWで唯一の下級生として出場。昨季の大学選手権準々決勝で敗戦(7-34)した明大との再戦に臨んだ。

「去年は準々決勝のリザーブでしたが出場できず、悔しい思いをしていました。今日は持ち味のタックル、アタックを活かして挑もうと思っていました」

 チームは19-24で敗れたが、今季初戦ながらリードが3度入れ替わるシーソーゲームを繰り広げ、実力の片鱗は示した。FL井上は果敢なタックルや強靱なキャリーに加え、前半27分には明大の速攻をジャッカルで仕留めるなど、勝負所で力を見せた。

「強みのFWは、フィジカルでは負けていなかったと思います。ただ武器であるモールがサックを受けて活かせていなかったので、そこは修正したいです」

 東福岡高から激しいバックローとして活躍し、花園4強入りした3年時は高校日本代表候補に。日大でも1年から大学選手権の初戦(3回戦)にFLで先発するなど期待されるが、現在は将来も見据え、中学1年から(筑紫丘ラグビークラブジュニアスクール〜)の競技歴で初となるHOに挑戦している。

「コーチの勧めで、1か月くらい前からフッカーに取り組んでいます。日大の強みであるスクラムも組んでいますが、首の取り方などはまだまだ。『(フッカーの)センスがある』という言葉を頂いていますが、満足していません。練習では追いつけないので自主練習をしています」

 完成度の高い井上が迎えた飛躍のチャンス。持ち前の負けん気で、成長が楽しみな日大と共にスケールアップを目指す。

今年はHOに挑戦する。強烈な負けん気はスクラムでも武器になる(撮影:髙塩 隆)