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ほぼサクラセブンズのチャレンジチーム、太陽生命セブンズシリーズ東京大会を制す。

2021.05.03

大会MVPに選出されたチャレンジチームの大黒田裕芽はファイナルでも自らトライを奪う。2大会連続の五輪出場を目指す。(撮影/松本かおり)

優勝したチャレンジチーム。この日は黒木理帆の誕生日。猫好きの黒木を祝福して猫のポーズを全員でとった。(©JRFU)
準優勝のアルカス熊谷の選手たち。ベテランと若手が噛み合った。(撮影/松本かおり)
激しい戦いとなった3位決定戦、ながとブルーエンジェルス×東京山九フェニックス。ながとが14-7で勝った。(撮影/松本かおり)
天気がコロコロ変わった2日間。ファイナル前には青空が見えた。(撮影/松本かおり)
5位決定戦時は突然の大雨。PEARLSが追手門学院大女子に28-12で勝利。(撮影/松本かおり)


『ほぼ代表』の矜持を示した。
 5月1日、2日に秩父宮ラグビー場で開催された太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2021・東京大会で女子セブンズ日本代表候補たちが顔を並べたチーム(チャレンジチーム)が優勝した。
 カップ決勝でアルカス熊谷に28-5と完勝した。

 例年なら大会出場クラブ外の若手などで構成するチャレンジチーム。今回は五輪への強化の一環として、代表候補の選手たちがそのチームに入った。
 チャレンジチームは、五輪メンバーにとっては正メンバー入りを懸けての挑戦の場ではあっても、他チームからしてみれば、チャレンジする対象のチームだった。

 そんな構図の大会で、チャレンジチームは力を示した。
 特に好調さと実力を表現したのがSOの位置に立った大黒田裕芽だ。大会MVPにも選ばれる躍動だった。
 2日間を通して好パフォーマンスを披露した。その中でも、ファイナルでの働きは抜群だった。

 試合開始のキックオフボールを、中村知春のマイボールキャッチを呼ぶ好位置へ蹴り込む。そして、直後にバティヴァカロロライチェル海遥のトライ(開始28秒)へつながる走りとパスを見せた。
 4分の黒木理帆のトライは、大黒田が相手ボールをジャッカルして得たPKから。
 その直後には、逆サイドへの仕掛け、効果的なパスダミー、ギャップを突破する加速から自分でインゴールへ入った。

 前半を21-0とリードして完勝したファイナル。戦いを終えた大黒田は、「私自身にとっては、3年ぶりの太陽生命ウィメンズセブンズ。この大会に出るのを楽しみにしていました。オリンピックが近いし、国内チームに負けるわけにはいかないというプレッシャーは少しありましたが、わくわくした気持ちで楽しめた」と話した。

 4月上旬にドバイでの国際大会に出場はできたが、チームも選手も対外試合の経験が足りていない。
 そんな状況を踏まえ、「これまで自分たち同士の試合ばかりでしたが、いろんなチームと対戦できて、攻守とも(課題などが)リアルになった」と言った。
 自身のコンディションの良さについては、「ケガなく練習を続けられているので」。
「今年に入っていまがいちばん調子いい」と頼もしかった。

 代表チームが積み上げてきた力を発揮しただけでなく、2年ぶりにおこなわれた国内最高峰の女子ラグビー大会はしあわせな時間だった。
 大学チームには、2年前はまだ下級生で、今回が初めての大舞台という選手たちがたくさんいた。
 準優勝のアルカス熊谷は、谷口令子主将、桑井亜乃というベテラン勢と杉本七海、松井渓南ら若手が噛み合っていた。

 選手個々を見ても、それぞれが個性を発揮した。
 プレータイムは多くなかったが、大学からラグビーを始めた陸上競技出身、日体大の小島碧優は非凡な走りを見せた。

 カップ準決勝でチャレンジチームに敗れた東京山九フェニックスでは、その試合の後半に奪ったトライが見事だった。
 岡元涼葉(京都成章→東京学芸大1年)が突破し、タックルされて倒れた後にパスを浮かす。そこに中島涼香(関東学院六浦→法大1年)が走り込んでトライラインを越えた。ともに18歳。これからが楽しみ。

 太陽生命ウィメンズセブンズシリーズ2021の第2戦は、5月15日、16日に静岡・エコパスタジアムで開催される。

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