ラグビーリパブリック

各校のチーム状態や新戦力がこの大会で明らかに。 『関東大学春季大会』プレビュー(後編)【J SPORTSでA・Bグループ全試合配信】

2021.04.30

サポートプレーやタックルで献身的に働く東海大FLジョーンズリチャード剛主将(撮影/松本かおり)

インパクトある外国人選手を擁する東海大。日大はさらなる躍進をうかがう

関東大学リーグ戦Aで3連覇中の東海大学は、相手の懐に突き刺さる猛タックルと献身的なサポートが持ち味のFLジョーンズリチャード剛(伏見工④)をスキッパーに指名した。昨季からスターティングメンバーの半数が入れ替わったが、1年時から公式戦を経験してきたSO丸山凜太朗(東福岡④)やFB酒井亮治(東海大相模④)、昨年ルーキーにして10番を務めたSO武藤ゆらぎ(東海大仰星②)など、BKのセンターラインに軸となる選手を擁する点は強み。LOワイサケ・ララトゥブア(ラトゥスクナ③)、FLレキマ・ナサミラ(ラトゥナブラ③)、CTBポロメア・カタ(東海大福岡②)ら海外出身選手のインパクトあるプレーも強力な武器だ。悲願の大学選手権優勝に向け、この春季大会は絶好の試金石となる。

同じリーグ戦勢でここ数年着実に力を伸ばしてきたのが、昨季3位の日本大学だ。大学選手権の準々決勝で明治大学に7-34と食い下がった前年のメンバーの3分の2、リザーブまで含めれば約4分の3の選手が残った今季は、チームがもう一段ステップアップする大きなチャンス。特にBKはCTBフレイザー・クワーク(開志国際④)や水間夢翔(佐賀工③)、ナサニエル・トゥポウ(マリストブラザーズ③)、FB普久原琉(コザ③)とタレントがそろっており、攻撃力はどの大学にも引けをとらない。169cm、82kgと小柄ながら献身的なプレーで厚い信頼を受けるFL飯田光紀主将(日川④)のもと、上位進出を狙う。

昨季リーグ戦2位の流通経済大学は、FL坂本侑翼(現三菱重工相模原)ら昨季から8人中5人が入れ替わったFWをいかに強化するかが、上位進出のポイントになるだろう。新キャプテンに指名されたHO西山大樹(流経大柏④)、昨年からFWリーダーを務めるLOタマ・カペネ(スコッツカレッジ④)にかかる期待は大きい。BKにいい形でボールを供給し、FB河野竣太副将(常翔学園④)、CTB・WTBイノケ・ブルア(スバグラマー④)、WTB中西海斗副将(報徳学園④)ら得点力抜群のフィニッシャーを存分に走らせることができれば、相手にとっては怖い存在となる。

帝京大の潜在力は全国屈指。実戦を通した成長に注目

昨季の4〜6位チームが入ったBグループにも、大学日本一を射程にとらえるチームは多い。その筆頭が帝京大学だ。2018年度に大学選手権の連覇が9でストップした後、ここ3シーズンは王座から遠ざかっているものの、PR細木康太郎主将(桐蔭学園④)やFL上山黎哉副将(大阪桐蔭④)、SO/FB押川敦治副将(京都成章④)らそうそうたる顔ぶれが並ぶ布陣は全国でも屈指の潜在力を有する。昨冬の花園で鮮烈な印象を残したLO青木恵斗(桐蔭学園①)やLO本橋拓馬(京都成章①)など、逸材がひしめくルーキーの活躍も楽しみだ。

猛烈なパワーを誇る帝京大PR細木康太郎主将(撮影/松本かおり)

大学選手権の3回戦で流通経済大学と19-19の死闘を演じた筑波大学も、十分に上位進出の可能性を秘める。FB松永貫汰主将(大産大附④)、WTB/FB植村陽彦(茗溪学園③)、CTB谷山隼大(福岡②)とBKには学生屈指の好ランナーがそろっているだけに、セットプレーをはじめFWの安定感を高めることが重要なテーマになるだろう。昨季リーグ戦4位の法政大学、同6位の大東文化大学は下級生に試合経験を積んだメンバーが多く、今シーズンはたくましく成長した姿を見せてくれそう。5月16日の第1戦で対峙する昨季対抗戦6位の日本体育大学とリーグ戦5位の中央大学にとっては、異なるリーグの強豪の圧力を体感できる大切なチャレンジの場となる。

試合を戦うことで自分たちの現状を把握でき、成長するための課題も明らかになる。伸び盛りの年代だけに、実戦を通して目覚ましい飛躍を遂げるチームやプレーヤーも現れるだろう。新たなシーズンの幕開けとなる大学ラグビー春の陣を、存分に楽しんでほしい。

J SPORTSオンデマンドで、関東大学春季大会A・Bグループ全試合を独占配信。
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