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NTTドコモ初の8強入りには、粘りのディフェンスあり。

2021.04.27

激しいブレイクダウンの攻防。NTTドコモは泥臭いプレーを最後までやり続けた(撮影:高塩隆)

 リーグ戦で躍進を果たしたNTTドコモレッドハリケーンズが、プレーオフでも真価を発揮した。
 4月24日のプレーオフ2回戦で、Honda HEATを21―13で破る。初のベスト8入りを決めた。

 これまでの最高成績である2014年度の11位を大きく塗り替える。就任1年目のヨハン・アッカーマンHCは「みんな間違いなく喜んでますし、嬉しいと思います。長く在籍している選手たちは特別に思っていた。いろんな反応が見れて、感じるものがありました」と話した。

 ホワイトカンファレンスを4勝3敗の堂々3位で通過したドコモだったが、レッド6位のホンダ相手に勝利を掴むことは簡単ではなかった。アッカーマンHCも「ディフェンスが良かったのは救われた」と振り返る。

 リーグ戦から何度も見られた、グラウンディングさせない粘りのディフェンスがこの日も光った。前半の序盤20分、後半の終盤10分と何度もゴール前まで迫られたが、ゴールラインを割ることは許さなかった。LOローレンス・エラスマス主将も「簡単には取らせない。5㍍ライン上のディフェンスは頑張れているし、FWは特に自信がある」と語る。

 ディフェンスの泥臭さで、もうひとつ際立ったのはキックチャージだ。試合開始直後の相手ショートパントをエラスマス主将が体を張って止めると、約15分後にもHO フランコ・マレー、CTBパエア ミフィポセチと連続でチャージが決まった。

 アッカーマンHCが功労者として名前を挙げたのは、アシスタントコーチのローリー・ダンカン。
「まだまだ進歩の途中だが、彼がディフェンスを担当してくれている。僕自身はもっとアタッキングなラグビーをしたいけど、残念ながらラグビーはボールを持っていない時間の方が長いので、ディフェンスをどうにか向上しないといけないとなった時に、彼が貢献してくれた」

 一方で「スクラム、ラインアウト、アタックと課題は山積み」とアッカーマンHCは話す。SHのTJ・ペレナラも「普段のいいパフォーマンスとはほど遠いものだった」と振り返った。
「ボールを持っている時、チャンスを取り切れないのが大きな課題」
 第4節のパナソニック戦後にも挙げていた課題の着手に急ぐ。

 初の8強入りについては、力強いコメントを残した。
「チームが誇らしいです。歴史を変えることはなかなか難しいこと。ただ僕がベスト8では満足しているかと言われれば嘘になる。そのために来たわけではないので、もっと高いところを目指してやっていきたい」

 ドコモは5月8日(土)に熊本・えがお健康スタジアムでトヨタ自動車と激突する。

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