セブンズ(7人制ラグビー)の東京オリンピック運営テストが4月22日、本番会場である東京スタジアム(味の素スタジアム)で行われた。
男女セブンズの日本代表候補約40人をはじめ、日本ラグビー協会のスタッフ、大会組織委員会のメンバー、大会ボランティアなど約270人が参加。選手の入退場の流れや有観客を想定した音楽や場内アナウンス、気象情報の連携といった競技運営を確認した。
◆ボールはトヨタ自動車が開発した「フィールド競技サポートロボット」が運ぶ
フルコンタクトではなかったがゲーム形式(7分ハーフ)での対戦も行われ、女子2試合、男子1試合が実施された。3試合目に行われた女子の試合は、日本と南アフリカの決勝戦と仮定して、試合前に両国の国歌も流れた。
女子日本代表候補の中村知春は、「7月の本番に向けて具体的にビジュアルでイメージすることができた。またコロナの中で、たくさんの方々が感染対策に気を配りつつ大会を作り上げてくださっていることを目に見えて理解することができました」と語った。
運営テストでは新型コロナウイルスの感染対策が重要視された。
大会ボランティア4名を含むスタッフらは、ボールやベンチの消毒をこまめに行った。また観客や関係者と選手が交わらないように、選手たちは試合後、スタンド下の通路を通るなどの動線対策が取られた。
さらに男女の代表候補は4月9日まで、ドバイで開催された国際大会(エミレーツ・インビテーショナル・セブンズ)に出場していたため、帰国した10日からは外部との接触を避ける「バブル」空間で過ごし、この日を迎えた。本大会でも日本に入国する海外選手は類似の待機措置を取ることから、それらを想定したテストにもなった。
感染対策のほかにも、選手たちの入場ゲートはメインスタンド下ではなく、バックスタンド横(第2ゲート、メインスタンドから見て右奥)になることが分かった。セブンズは15人制と異なり、1日で多くのチームが入れ替わりながら試合を行う(男女各12チーム出場予定)。普段使用する既存のロッカーでは数が足りないため、バックスタンド側にチームルームを設置。チームルームに一番近いゲートが入場ゲートになった。
この五輪運営テストは五輪の延期を受けて、2020年3月上旬に行ったスポーツクライミングを最後に中断していたが、’21年の4月3、4日に行われた車椅子ラグビーから再開された。今回のセブンズは車椅子ラグビーに続き2回目で、五輪競技としては初。
今後は水泳(競泳)、自転車競技(トラック)と続き、5月9日には国立競技場で陸上競技の運営テストを有観客で実施することが予定されている。一方で政府が緊急事態宣言の発令を検討しており、対応については改めて協議していくとした。
大会運営局次長の森泰夫氏は「2年前にラグビーのW杯があり、その時の(運営の)経験者が多くいる。新たに様々な形で参加する方々とともにワンチームで取り組んでいく」と語った。