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トップリーグプレーオフ開幕 NECと三菱重工相模原がチャレンジャーに競り勝ち2回戦へ

2021.04.17

前半14分にリードを広げるトライを決めたNECのCTBマリティノ・ネマニ(撮影:早浪章弘)


 トップリーグの16チームと、下部のトップチャレンジリーグで成績上位だった4チーム、計20チームが参加する国内ラグビーのクライマックス、「トップリーグ2021 プレーオフトーナメント」が4月17日に始まり、NECグリーンロケッツと三菱重工相模原ダイナボアーズがチャレンジャー相手に苦しみながらも勝って2回戦進出となった。

 リーグ戦のホワイトカンファレンスで全敗・最下位だったNECは、トップチャレンジリーグ優勝の豊田自動織機シャトルズと東大阪市花園ラグビー場で対戦し、25-24で競り勝った。

 接戦が予想されたなか、NECは序盤にリードした。SOアレックス・グッドのペナルティゴール(PG)で先制すると、敵陣深くに入った14分には、フラットパスをもらったCTBマリティノ・ネマニがディフェンスを抜けインゴールに持ち込んだ。

 10点を追う織機は27分、ゴールに迫って攻撃を繰り返し、WTBリサラ シオシファがタックラーを振り切ってフィニッシュ。NECのグッドと同じくイングランド代表キャップ保持者のSOフレディー・バーンズがコンバージョンを決め、3点差となった。

 ハーフタイム前にNECの粘り強いディフェンスに得点を阻まれた織機だが、後半の立ち上がりよく、43分(後半3分)、ラインアウトからドライビングモールでゴールに迫り、NO8タレニ・セウが突っ込み逆転する。

 2分後にNECが同じようにラインアウトモールでやり返したが、織機は56分、敵陣深くでのスクラムからボールを動かし、SOバーンズがディフェンスのプレッシャーを受けながらも左サイドでフリー状態だったFB大道勇喜に長いパスを通し、青いジャージーの背番号15がフィニッシュして再びリードを奪った。
 その後、織機が約40メートルのドライビングモールでPGチャンスを得、バーンズが決めて9点差となった。

 しかし、トップリーグチームとして意地があるNECは、シンビンで1人を欠きながらも、73分、ゴールに迫って堅守の織機相手に何度も挑み、CTBベンハード・ヤンセヴァンレンスバーグがトライを取り切った。コンバージョン成功で2点差に詰める。

 そして79分、ブレイクダウンで織機に反則があり、NECにPGチャンス到来。SOグッドがポスト正面からのショットを確実に決め、逆転した。

 残り時間はわずかにあり、リスタートのキックオフ後、織機がボールを奪い返して攻め、ホーンが鳴ったあと、バーンズがハーフウェイからドロップゴールを狙ったが、距離的にも難しく、失敗。まもなく試合終了の笛が鳴り、NECが歓喜となった。

 NECは4月24日に東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれる2回戦で、レッドカンファレンス1位だったサントリーサンゴリアスと対戦する。

雨のなか、接戦となった三菱重工相模原×コカ・コーラ(撮影:高塩隆)

 レッドカンファレンス7位通過の三菱重工相模原は、トップチャレンジリーグ3位のコカ・コーラレッドスパークスと愛知・パロマ瑞穂ラグビー場で対戦し、24-17で逆転勝ちした。

 前半6分にラインアウトからモールで押し込み先制した三菱重工相模原。12分にもゴールに迫ってFLジャクソン・ヘモポのトライが認められ、14-0となり、このままペースを握るかと思われた。

 しかし、19分にコカ・コーラが反撃。敵陣深くでPKを得ると、クイックタップから攻め、副将のNO8ジョセフ・トゥペがトライを奪い返した。

 雨による難しいコンディションのなか、その後しばらくスコアボードは動かなかったが、コカ・コーラはハーフタイム前にPGで加点し、4点差に詰めて折り返した。

 後半はコカ・コーラの入りがよく、46分(後半6分)、CTBトゥクフカ トネがキックパスを使って相手にプレッシャーをかけ、こぼれ球を拾って攻め込み、最後はトネがフィニッシャーとなって逆転した。

 3点ビハインドとなった三菱重工相模原は、その後しばらくチャンスを作れずにいたが、終盤の76分、WTB関本圭汰の突破を起点に連続攻撃で敵陣22メートルライン内に入る。そして、左外でボールをもらったCTBマイケル・リトルがタックラーを振り切ってコーナーにフィニッシュし、逆転した。

 リードを奪った三菱重工相模原は残り時間、コカ・コーラにプレッシャーをかけ続け、フルタイムを知らせるホーンが鳴ったあと、再びリトルがトライゲッターとなり、厳しい戦いを制した。

 三菱重工相模原は4月24日に東大阪市花園ラグビー場でおこなわれる2回戦で、ホワイトカンファレンス2位通過の神戸製鋼コベルコスティーラーズと対戦する。