ラグビーリパブリック

2019W杯日本代表候補だったボスアヤコ、母国・豪州の代表を目指す。ワラターズと2年契約

2021.04.15

2019W杯後は宗像サニックスでプレーしてきたラーボニ・ウォーレンボスアヤコ(撮影:Hiroaki.UENO)


 2019年ラグビーワールドカップの日本代表候補に名を連ねていたラーボニ・ウォーレンボスアヤコが、母国のオーストラリアに戻ることを決意し、同国代表“ワラビーズ”を目指す。4月14日、彼の出身地であるニューサウスウェールズ州(NSW)シドニーを拠点とするワラターズが、ボスアヤコと2年契約を結んだと発表した。

 いつかワラビーズの一員になるという夢を追求する機会を得たボスアヤコは、2022年と2023年のスーパーラグビーに参戦する。

 かつては桜のジャージーを目指し、期待もされた。
 2016年、20歳で来日。彼のポテンシャルの高さを見抜いたのは最初にプロ契約を結んだNTTコミュニケーションズシャイニングアークスだけではなく、日本代表のジェイミー・ジョセフ ヘッドコーチも早くから目をつけ、人材育成プロジェクト「NDS(ナショナル・デベロップメント・スコッド)キャンプ」の第1回キャンプ参加メンバーのひとりにボスアヤコを選んだ。
 身長190センチ、体重108キロ(当時の公表サイズ)のバックローワーは、さらに、日本チームとしてスーパーラグビーに挑んだサンウルブズに2017年から3季連続で加わり、存在感を増した。力強いダイナミックな走りが魅力で、サンウルブズではCTBでプレーしたこともある。
 そして、ラグビーワールドカップ2019へ向けた日本代表のトレーニングスコッドにも選ばれ、開幕まで約2か月と迫った7月中旬まで合宿に参加していた。

右から3人目がボスアヤコ。W杯へ向けた2019年6月の宮崎合宿にて(撮影:Hiroaki.UENO)

 だが、ワールドカップまでに36か月継続居住の条件を満たせず日本代表資格取得が間に合わないことが明らかとなり、離脱する。リハビリなどでオーストラリアへ帰国した時期があり、国際統括団体のワールドラグビーに認められなかった。

 失意に陥ったボスアヤコだが、母国のラグビー界にとっては朗報だったかもしれない。オーストラリアラグビー協会のディレクター・オブ・ラグビーであるスコット・ジョンソンからコンタクトがあったという。

「私は日本での時間を愛してきました。日本は、美しい文化と信じられないほどすてきな風景がある、すばらしい国です」
 ワラターズの公式サイトでそう述べているボスアヤコ。そしてこんなことも明かしている。
「日本でのワールドカップ前に、オーストラリアに帰国する可能性についてスコット・ジョンソンと話をしました」

 当時、シャイニングアークスから宗像サニックスブルースへ移籍したばかりで、すぐに荷物をまとめ直すことはなかったが、この度ワラターズと2年契約を結び、新たな夢を追うことにした。

「ホームに戻って、スカイブルーのジャージーを着られるのは本当にうれしいです。そして、十分なパフォーマンスを出せれば、いつかワラビーズでプレーするチャンスが得られることを願っています」

サンウルブズでは通算24試合に出場。写真は2017年4月、秩父宮でブルズ戦勝利後(Photo: Getty Images)
Exit mobile version