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「失敗もたくさんあるが、充実。もがきたい」 ハイランダーズ姫野、延長負けにもポジティブ。

2021.04.10

ダニーデンの熱いファンの前で奮闘する姫野(左)。チーフス戦で仲間のトライを喜ぶ(Photo: Getty Images)


 ニュージーランドのハイランダーズに所属する姫野和樹が、4月10日に地元ダニーデンのフォーサイスバースタジアムでおこなわれたチーフス戦(スーパーラグビー アオテアロア 第7節)でNO8として先発出場、後半23分までプレーした。試合は延長にもつれ、ハイランダーズは23-26で敗れた。

 今年のスーパーラグビー アオテアロアでは、延長戦・ゴールデンポイント制が導入されている。延長10分1セットで、どちらかが得点した時点で決着となる。コイントスに勝ってキックオフを選択したハイランダーズが敵陣深くに入り、3分経過後、SOジョシュ・イオアネがドロップゴールを狙った。が、失敗。その1分後、今度はチーフスが敵陣に入り、CTBアントン・レイナートブラウンがブレイクダウンでボールに絡み、相手の反則を引き出す。そして、この日キック不調だったFBダミアン・マッケンジーが約45メートルのペナルティゴールを決め、これがゴールデンポイントとなり、チーフスの勝利となった。

延長戦を制したチーフス(Photo: Getty Images)

 延長戦をベンチから見ていた姫野は、「ノーペナルティ! ノーペナルティ!」と繰り返し叫んでいたという。「なかなかない経験。ああいう状況で、ああいうふうに負けるとすごく悔しい」と最後のシーンを振り返った。

 3月26日のデビュー戦(対 ハリケーンズ)では、後半途中から約30分間のプレーで、9回ボールキャリー、48メートルゲインと持ち味を発揮した姫野だが、初先発となった2戦目は前王者クルセイダーズの堅い守りに阻まれ、この日も9回のキャリーで32メートルゲインと、満足いく出来ではなかった。チーフスは1人目がタックルしたあと2人目もすぐに来て、姫野にプレッシャーをかけた。
「スーパーラグビーはどこのチームもいい選手ばかり。そのなかで、なかなか前に出られない場面もある。すべてがうまくいくと思ってない」
 冷静にそう振り返る姫野。しかし、こういう経験ができているのはすごくポジティブに感じているという。
「自分のボールキャリーという所をもっと強みとして光らせていくためにはどうすればいいのか、というのを考えられるいい機会になっている。それはすごくポジティブな材料かなと思っている」

オンライン取材でチーフス戦を振り返る姫野

 チーム内には目標とする選手がいる。シャノン・フリゼル。同じFW3列の選手で、同じ1994年生まれのニュージーランド代表(オールブラックス)だ。フリゼルを上回るほどの活躍をすれば、自分はオールブラックスのレベルにいるんだという証明になるかもしれない。自分の力をラグビー王国で証明したい。
「ここではチャレンジャー。泥臭く、ひたむきに、彼を追い抜くんだというハングリーな精神を持ってやれる。いい環境にいると思う。失敗もたくさんあるが、それも充実している証拠だと思う。ここで、もがきたいなと思う」

 ハイランダーズはこれで2勝4敗。次週(4月16日)はホームでブルーズと対戦する。姫野は4試合連続出場とさらなる活躍を目指す。

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