トップリーグ、トップチャレンジリーグでは4月から2021年度加入選手の出場が解禁となった。
直後の4月3日、4日には天理大卒のルーキー3人が即デビューを果たす。
1年時から天理大の先発メンバーに名を連ね、昨季の全国大学選手権で同校を悲願の初優勝に導いたCTBシオサイア・フィフィタ、SH藤原忍、SO松永拓朗が揃って出場した。
近鉄ライナーズに加入したフィフィタは、4月3日に13番で先発出場。豊田自動織機とのトップチャレンジリーグ首位決定戦の大一番に挑んだ。試合は17―36で敗れ、「プレッシャーに負けてしまったというか、大学生の時と違う感じがしました」と肩を落とした。
「フィジカルも強いし、スピード、テンポとかも速かった。だいぶ慣れてきたけど、フィジカルはもっともっと強くしたい」
自己採点も「60点くらい」と低め。「もっとゲームを楽にするために13番としてゲインするべきだったし、ミスも多かった」。
2位で進むプレーオフへは「しっかり学んで、自分らしさを出していきたい」と語った。
同日にデビューしたのは、クボタスピアーズの一員となった藤原。全勝対決のサントリー戦に21番をつけて出番を待った。ベンチではライアン・クロッティと「リザーブがどんな仕事をしなければいけないのか」を話し合ったという。
「接戦だったので、たぶんピッチの選手には焦りもあるだろうし、そこを落ち着かせるためにコミュニケーションを取ろうと考えながら過ごしていました」
出番が来たのは試合終了間際の後半40分。サントリーのSOボーデン・バレットが決勝点となるトライ&コンバージョンを決めた直後だった。もっと早くに出たい気持ちはあったが、そこは「僕の力不足」と認める。「こういう接戦の時に、自信をもってフラン(・ルディケ)HCが任せられるようなスクラムハーフになりたい」と語った。
翌日の4月4日に出場を果たしたのは、東芝ブレイブルーパスの松永。ホンダとの連敗同士の対戦で、後半32分に交代出場した。地元である花園ラグビー場でのデビューに、ファンの拍手に包まれながら登場。「思い切りプレーをしようとだけ思っていました」。
約10分間のプレーでボールを持つことはなかったが、「中学生の時から憧れだったトップリーグの舞台に立てて、憧れだった選手と一緒にラグビーができていることを実感しました。自分もトップリーガーになったんだと改めて感じた。とても幸せな時間でした」と振り返る。
「自分が試合に出る出ない関係なく、チームのために自分に何が出来るのか考えてチームに貢献したい」と今後の抱負を語った。
3人は試合前、連絡を取り合っていた。
松永は「しのぶ、サイアがメンバーに入った事を知って嬉しくて、『お互い頑張ろう』と連絡しました」。「同級生の活躍が一番の刺激になります。早く一緒に試合をしたいです」と語った。
トップリーグは今週末に最終節を残すが、10日後にはいよいよノックアウト方式でのプレーオフが始まる。
新たなスパイスがチームにどう化学反応を起こすのか。新加入選手の動向にも注目したい。
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◎あついぞ、トップリーグ。
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