4月4日の花園ラグビー場は前半から曇り空。後半に入って強めの雨が降り始めた。
トップリーグ2021第6節の東芝ブレイブルーパス対Honda HEATの試合が行われた。
東芝はここまで2連敗。ホンダは勝ち星のなしで試合が始まった。
最初に気を吐いたのはホンダ。
前半4分。SO朴成基が逆サイドへ大きなキックパスをFBマット・ダフィーに通す。そしてカバーに入ったWTB生方信孝がインゴールに入った。
ホンダは直後のピンチにスクラムでペナルティを奪うなど、流れを引き寄せたに見えたが、東芝が9分にラインアウトモールで1本返す。さらに12分、MOMに輝いたCTBセタ・タマニバルのラインブレイクを起点に、WTBジョネ・ナイカブラが追加トライ。逆転に成功した(7―12)。
その後は両チームがPGを重ね、東芝18―10ホンダとなった前半終了間際、またもCTBタマニバルがひとりで切り抜け、突き放した(25―10)。
この間、ホンダはゴール前まで迫るも、ここぞのスクラムでペナルティを取られていた。「せっかくペナルティで(ノックオンのミスを)取り返したのに、そのあとにミスをしてしまったのが痛かった」とHO藤浪輝人は振り返る。スクラムの要であるPR具智元を欠いたFW陣だったが、「メンバーが変わってもそん色ない」と強気で挑んだ。ただ「東芝さんもセットプレーの強いチーム。ヒットの部分で少し後手に回ってしまった」と悔やんだ。
後半も東芝の勢いは止まらず、5分にまたまたCTBタマニバルのラインブレイクからSH高橋昴平が抜け出しトライ。
互いに雨によるスリップやパスミスが続く中でも、東芝はコンタクト局面で勝り、21分、33分とトライを奪って勝負を決めた。
ホンダのダニー・リーHCは「非常に恥ずかしい思いをしてしまった。アタックは継続ができずにボールをこぼしてしまったり、ディフェンスでも1対1のタックルを決めきれずに簡単に抜かれてしまった」と肩を落とした。
一方の、東芝はそこができていた。トッド・ブラックアダーHCは「自分たちの粘り、忍耐力が出せた」と評価する。「ここまで良い結果は得られてないけど、徐々に向上していて、成長しつつありました。それが形になったことは嬉しく思う」と語った。
ゲームキャプテンを務めたFLリーチ マイケルも同様のコメントを残す。
「これまでの試合の中でも東芝のポテンシャルは感じていた。悪い結果の中でも東芝が良かったのは、ブレずに自分たちのやってることを信じて実行したこと。ノンメンバーのみんなもよくサポートしてくれたし、出たメンバーもノンメンバーのことを思って戦えた」と仲間たちを称えた。
プレー面では直近の敗れた2戦で課題となったコンタクトが改善された。リーチは「今週は1週間を通して、寄りのスピードだったり、ボールキャリーの質を高めてきた。これをスタンダードとしてやっていかないといけない」と話した。
リーチ自身の調子も上々のようで、「練習中のGPSのデータや、試合のデータも毎回上がってきている。いい感じにトーナメントに向けて体が仕上がってきています。チームも同じです」とチームの上向きを予感させた。
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