レギュラーシーズン後半に入っているジャパンラグビートップリーグ2021は、4月4日、第6節の3試合が各地でおこなわれ、ホワイトカンファレンスの全勝同士がぶつかった神戸製鋼コベルコスティーラーズ対パナソニック ワイルドナイツ戦は、13-13の引き分けに終わった。
東芝ブレイブルーパスとリコーブラックラムズは連敗ストップ。Honda HEATとNECグリーンロケッツは開幕から6連敗となった。
3季ぶりに実現した神戸製鋼×パナソニックの強豪対決。会場の神戸総合運動公園ユニバー記念競技場は雨だった。
難しいコンディションのなか、両チームともハンドリングエラーを多発、ラインアウトでもお互い苦しんだ。
前半はペナルティゴール(PG)でスコアが動き、6-6。パナソニックはハーフタイム前、スクラムでプレッシャーをかけて相手の反則を引き出し、敵陣深くのラインアウトに移りトライチャンスだったが、神戸製鋼は世界最優秀選手に選ばれたこともあるニュージーランド代表のLOブロディ・レタリックがスチールし、ピンチを脱出した。
最初のトライを挙げたのは神戸製鋼だった。後半早々、敵陣深くに入ってモール攻撃でアドバンテージを得、これを活かしたSOヘイデン・パーカーがキックパス、右外でWTB井関信介がキャッチし、インゴールに押さえた。優秀なプレースキッカーであるパーカーはコンバージョンで貴重な2点を追加。7点リードを奪った。
しかし、パナソニックは51分(後半11分)、ハーフウェイ付近のスクラムからボールを手にしたSH内田啓介がスペースを抜けてそのままゴールへ走り切り(コンバージョン成功)、13-13の同点となった。
息詰まる戦いのなか、76分、ハーフウェイ付近でパナソニックに反則があり、神戸製鋼はショットを選択。パーカーと替わって後半途中から出場していた元ニュージーランド代表のアーロン・クルーデンが約45メートルの位置から狙った。が、外れた。
試合終了間際、自陣にいたパナソニックは、SO山沢拓也のチップキックに反応したCTBディラン・ライリーがボールを確保して敵陣に入り、さらにサポートについていた山沢がゲイン、タックルされる前に再びキックを放った。そして、勢いがあったボールはインゴールに入っても転がり続け、チェイスの先頭を走っていた青いジャージーの13番、ライリーが懸命に追ったが、ボールはデッドボールラインを割り、トライならず。
その後、ワンプレーはあったが、両チームとも譲らず、熱闘は13-13の引き分けに終わった。
これで両チームとも5勝1分け。これまでのボーナスポイント獲得差で首位のパナソニックが総勝点26となり、神戸製鋼は総勝点25となった。
前節でNTTコミュニケーションズシャイニングアークスに惨敗し、1勝4敗と苦しんでいた東芝だが、東大阪市花園ラグビー場でHonda(ホンダ)に53-17と快勝した。
前半4分に、ホンダがSO朴成基のキックパスから先制トライを挙げるも、東芝は9分、敵陣深くの相手ボールスクラムでプレッシャーをかけてペナルティキックを得、ラインアウトに移り、ドライビングモールで5点を奪い返した。
12分にはLO梶川喬介のターンオーバーからワイドにボールを動かし、CTBセタ・タマニバル、FLマット・トッドと好走が続き、最後はWTBジョネ・ナイカブラがゴールへ駆け抜けた。
両チームともPGで加点し、18-10で迎えたハーフタイム前には、元ニュージーランド代表のタマニバルが敵陣22メートルライン手前からホンダのディフェンスを破ってトライゲッターとなり、25-10で折り返した。
東芝は45分(後半5分)にもタマニバルの突破からチャンスを広げ、SH高橋昴平がトライ。60分にはFWがゴール前でパワープレーを繰り返し、ゲームキャプテンのFLリーチ マイケルがフィニッシュし、点差を広げた。73分にはSOジャック・ストラトンからのキックパスをキャッチしたWTBナイカブラがタックラーを振り切って加点し、勝負あり。
ホンダは76分、ダイナミックに走ったPRマティウス・バッソンのビッグゲインで作ったチャンスをWTB尾又寛汰のトライにつなげたが、最後は東芝が7トライ目を奪い50点超えとなった。
東芝はこれで2勝4敗(総勝点11)、ホンダは0勝6敗(総勝点1)となった。
東京・秩父宮ラグビー場ではNEC×リコー戦がおこなわれ、リコーが37-15で制した。
リコーは前半26分までに3トライを挙げて主導権を握った。
6分、敵陣深くのスクラムで押し勝ってチャンスとなり、最後はFLブロードハースト マイケルがピック&ドライブでインゴールにねじ込んだ。12分にはWTBネタニ・ヴァカヤリアの突破から攻め込み、SOアイザック・ルーカスが好判断で敵の頭を越えるパスを左に通し、WTBキーガン・ファリアがトライ。26分には自陣からアタックを継続してテンポよくボールをつなぎ、LOジェイコブ・スキーンがフィニッシュした。
リコーは22-3で迎えた後半の序盤にもWTBヴァカヤリアの好走からチャンスとなり、さらにHO武井日向、PR笹川大五も連続ゲインでゴールに迫り、WTBファリアが5点を追加した。
NECは50分(後半10分)にようやくこの日最初のトライを挙げ、54分にも敵陣深くののペナルティキックから攻めてCTBマリティノ・ネマニがゴールラインを越え、12点差に詰めたが、リコーはその3分後、入替で入ったばかりのSH山本昌太がキックチャージからトライを奪い返し、流れを引き戻した。リコーは75分にもWTBヴァカヤリアが躍動して加点し、連敗を3で止めた。
リコーはこれで2勝4敗(総勝点12)。NECは0勝6敗(総勝点1)となった。
なお、秋田のソユースタジアムで予定されていた日野レッドドルフィンズ対キヤノンイーグルス戦は、日野に新型コロナウイルス感染症の陽性者と体調不良者が確認されたことを受け、試合の2日前に中止が決まっていた。
代替試合は設けられず、トップリーグ規約に基づき、両チームには勝点2ずつ加算されている。それまで1勝4敗だった日野は総勝点7となり、2勝3敗だったキヤノンは総勝点11となった。
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