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サントリーがクボタとの全勝対決制す! トヨタ5勝目、NTTコム連勝、ヤマハは連敗止める。

2021.04.03

サントリーのタラカイに圧力をかけるクボタのマークス(左)とラブスカフニ(撮影:松本かおり)


 ジャパンラグビートップリーグは4月3日、各地で第6節の4試合がおこなわれ、レッドカンファレンス全勝同士の注目の対決は、サントリーサンゴリアスが33-26でクボタスピアーズに競り勝った。
 この2チームと上位を争う1敗のトヨタ自動車ヴェルブリッツは5勝目を挙げ、総勝点(24)でクボタに並んだ。同カンファレンスのNTTコミュニケーションズシャイニングアークスは連勝で白星先行。ホワイトカンファレンスでは、4位のヤマハ発動機ジュビロが3位のNTTドコモレッドハリケーンズを下し連敗を止めた。

 東京・秩父宮ラグビー場でおこなわれたレッドカンファレンスの首位攻防戦。
 最初のトライを挙げたのはクボタだったが、サントリーはSOボーデン・バレットのペナルティゴール(PG)で着実に得点を重ね、25分に敵陣22メートルライン内に入ると、バレットが左へクロスキックを放ち、WTBテビタ・リーが空中戦に競り勝ち、こぼれ球を拾ったFB尾崎晟也がトライゲッターとなった。

 さらに、31分にクボタのSOバーナード・フォーリーが危険なプレーで10分間の退出を命じられ、数的有利となったサントリーは34分、連続攻撃で大外にいたNO8ショーン・マクマーンがインゴールに持ち込んだ。37分には、自陣のブレイクダウンでHO中村駿太がからんでPKを得ると、速攻、バレットが無人のスペースにキックし、チェイスした尾崎がこの日2度目のトライゲッターとなった。23-7で折り返す。

 後半、サントリーにPGで加点され、19点差をつけられたクボタ。しかし、このまま終わるチームではなかった。
 54分(後半14分)に敵陣深くに入り、FLトゥパ フィナウが空いたスペースを抜けてトライ。58分にはCTBライアン・クロッティの突破を起点にテンポよくボールを動かし、左外でパスをもらったWTB山崎洋之がタッチライン際を振り切ってインゴールに持ち込んだ。5点差とし、69分にはラインアウトからモールで押し込み、26-26の同点となった。

 だが、勝利の女神がほほ笑んだのはサントリーだった。終盤の78分、敵陣22メートルライン内の連続攻撃から、バレットが抜けて勝ち越しトライ。自らコンバージョンも決め、再び7点リードを奪った。
 クボタはフルタイムを知らせるホーンが鳴ったあと、敵陣深くに入ったが、ラインアウトからのドライビングモールは外に押し出され、試合終了の笛にサントリーが歓喜した。

 サントリーはこれで6連勝(総勝点29)。クボタは5勝1敗(総勝点24)となった。

 トヨタ自動車は大阪・東大阪市花園ラグビー場で三菱重工相模原ダイナボアーズと対戦し、40-29で勝った。

 序盤、相手にPGで先制されたトヨタだったが、リスタート後まもなく、WTB岡田優輝がプレッシャーをかけてボールを奪い返し、攻めに転じ、CTBチャーリー・ローレンスのトライにつながった。トヨタは11分にも攻め込み、FLマイケル・フーパーが抜けて連続トライ。

 その後、三菱重工相模原のNO8ヘイデン・ベッドウェル-カーティスがスクラムからのサイドアタックで5点を奪い返したものの、トヨタは25分、同じようにセットピースからの攻撃で得点し、29分にも敵陣深くで攻め、アドバンテージをもらったあと、FBウィリー・ルルーのキックに反応したWTBヘンリージェイミーがボールを確保してインゴールに持ち込んだ。33分には、CTBマレ・サウ、PR三浦昌悟の力走後、たたみかけてWTB岡田がトライ。33-8とし、リードを大きく広げた。

 三菱重工相模原も意地を見せ、38分にFB竹田祐将が古巣からトライを奪うと、46分(後半6分)にはスクラムからの攻撃でCTBマイケル・リトルがフィニッシュ。11点差に詰めた。三菱重工相模原はディフェンスでも粘りが増し、トヨタの楽勝ムードにはさせなかった。

 しかし、ギアを入れ直したトヨタは56分、ラインアウトからのサインプレーを決め、FLフーパーが抜けて得点。
 最後まで元気があった三菱重工相模原が試合終了間際にもトライを奪い返したが、トヨタが前半の貯金を活かして逃げ切った。

 トヨタ自動車は5勝1敗となり、総勝点24で並んだクボタとリーグ戦最終節で対戦する。
 三菱重工相模原は1勝1分4敗(総勝点6)となった。

前進を試みるNTTコムのブリッツ。止めようとするサニックスのムーア(撮影:梅原沙織)

 NTTコミュニケーションズ(NTTコム)は高知・春野総合運動公園陸上競技場で宗像サニックスブルースと対戦し、40-21で制した。

 NTTコムは前半6分、15分と、ラインアウトからモールで押し込みトライを挙げ、23分にも敵陣深くへ攻め込み、WTB石井魁が右外を抜けてコーナーにフィニッシュした。37分にはWTBチャン・ヨンフンがインターセプトから約80メートル独走し、28-0と大差をつけて折り返した。

 意地を見せたいサニックスは、43分(後半3分)にCTBトニシオ・バイフが中央を抜けてトライを奪い返すと、相手にイエローカードが出て数的有利となって48分にも攻め込み、後半から入った元日本代表のWTBカーン・ヘスケスが仲間のサポートを受けてゴールラインを割り、トライゲッターとなった。その後、NTTコムに点差を広げられたサニックスだが、73分には敵陣22メートルラインからSH藤井達哉が切り込み、パスをもらったヘスケスが再びトライを挙げ、後半だけのスコアはサニックスが上回った。

 それでも、NTTコムは終盤にSOフレッチャー・スミスがインターセプトから独走で追加点を挙げ、粘るサニックスを突き放した。

 NTTコムは3勝1分2敗となり、ボーナスポイントも獲得で総勝点17としている。サニックスは1勝5敗(総勝点5)となった。

何度もゲインを切ったヤマハのNO8クワッガ・スミス(撮影:平本芳臣)

 そして、大阪・万博記念競技場ではヤマハ発動機とNTTドコモが対戦し、33-21でヤマハが勝利。 

 ヤマハは序盤からテンポよく攻め込み、LOヘル ウヴェのトライで先制すると、12分にはFWを使って前に進んだあと、SO清原祥が絶妙のキックでボールを転がし、反応したWTBシオネ・トゥイプロトゥがそれを確保してタックラーを振り切り、5点を追加した。14分にはFB五郎丸歩の突破からチャンスとなり、CTB石塚弘章がフィニッシュ。37分にはモールでゴールに迫ったあと、PR伊藤平一郎がパワーでインゴールにねじ込み、26-7で折り返した。

 46分(後半6分)には、連続攻撃でゴールに迫ったヤマハに対し、ドコモのFBマカゾレ・マピンピが故意の反則(インテンショナルノックオン)をしてしまい、新井卓也レフリーはペナルティトライを宣告した。33-7。

 26点差をつけられ、マピンピがイエローカードをもらい、苦しくなったドコモ。しかし、ニュージーランドから来日して今季ここまで快進撃をけん引してきたSHのTJ・ペレナラが48分にCTBサミソ二・トゥアのトライを演出すると、51分には身長2メートル、体重123キロある主将のLOローレンス・エラスマスが自陣中盤から抜けてキック&チェイスで会場を沸かせ、相手にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、そのまま走り切ってフィニッシュ。ファンの大きな拍手を浴びた。コンバージョン連続成功で12点差に詰めた。

 しかし、流れを変えたドコモはその後も何度か敵陣深くに攻め込んだものの、ヤマハが踏ん張り、33-21でノーサイドとなった。

 ヤマハはこれで3勝3敗(総勝点15)。ドコモは4勝2敗(総勝点16)となったが、ヤマハにボーナスポイントを許さず、ホワイトカンファレンスの3位をキープした。


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