3月29日、熊谷ラグビー場で全国高校選抜大会の準決勝が行われた。第2試合では桐蔭学園と大阪桐蔭の競り合いに。桐蔭学園が17-12で決勝に駒を決めた。決勝は東福岡との対戦。3月31日11時開始。
今年第22回を迎える全国高校選抜大会において、これまでの記録は東福岡の3連覇(第10回、11回、13回大会/第12回は東日本大震災のため中止)。桐蔭学園はきょう、その東福岡との決勝で4連覇をかけて戦うことになった。
「いよいよ、ですか…。そういう感じじゃないですね」
リラックスした表情で決戦への意気込みを語るのは桐蔭学園の藤原秀之監督。勝敗はもちろん、大きな要素だが、連覇記録よりも、新チームでどこまでできるのか、今年の花園へ向けた基準作りにフォーカスしたゲームと捉えている。
準決勝、フィジカルの圧力ではやはり一、二を争う強さを見せつけた大阪桐蔭とのゲームでも、新チームのプロセスを感じさせる場面が多かった。
昨年はFWに突破力のある選手が揃い、BKでは基本に忠実でクレバーな選手が中盤を固め、下級生たちの活躍を引き出した。今年はその「花」と「根」の選手たちが卒業、2021年版の桐蔭学園のチーム像づくりが今の焦点だ。
「まだ、次が5試合目なんですよ」(藤原監督)
感染拡大防止のため、県新人大会、関東新人大会が消えた。全国の舞台がデビューの場となった桐蔭学園はしかし、今年の「味」を早くも放っている。
試合は、前半20分に桐蔭が1トライ1PGで10-0としてから、相手の追撃を受ける展開。後半18分のトライとゴールで17-12とし、残り約10分間をきっちりキープした格好だ。
「今日は、ディフェンスですよね」(藤原監督)
ボールを持ち体を当てにくる相手に対し、どこまで踏ん張れるか、前に出られるか。昨年ほどの攻撃力はない中で、点を取られないことは勝負の前提だった。
果たして桐蔭学園は、フィジカルを押し出しにくる大阪桐蔭に、効果的なタックルで対抗した。部分では食い込まれながらも、密集付近の判断力はさすが。後半11分、桐蔭学園10-12大阪桐蔭の局面で、勢いに乗る大阪桐蔭を押さえ込んだ粘りは今年の土台になる。
「あそこは、我慢でしたね」(藤原監督)
後半18分、ゴール前アタックからゴールに転がしたボールをCTB森草知②が押さえたトライ(G成功)で逆転し、残り10分を凌いだ。
2021年の桐蔭学園も、戦力は強力だ。
LO小椋健介が率いるFWは愚直な仕事もできるハードワーカーたち(FL中島潤一郎はこの試合、不出場)。BKには昨年、大活躍した矢崎由高①もいる。ディフェンスを鍛え、BKの得点力を伸ばしながら、接戦を勝ち切る緻密な試合運びを組み上げる。CTB今野椋平らが担うプレースキックも鍵を握ることになりそうだ。