ラグビーリパブリック

トップリーグ、第6節はここを見る。全勝対決2試合、サントリーvsクボタ、神戸製鋼vsパナソニックに注目!【J SPORTSで全試合LIVE配信】

2021.03.31

ミッドフィールドで攻守を支える神戸製鋼CTBラファエレ・ティモシー(撮影:佐藤真一)

 二つのカンファレンスの順位争いが激化、1点差2試合、3点差2試合、接戦熱戦が繰り広げられた前節のトップリーグ。4月3日と4日に開催される第6節も、白熱の好ゲームが期待される。ラグビーリパブリック/ラグビーマガジン注目のカードは、全勝対決の2試合。

◆4月3日(土)14時@東京・秩父宮
サントリーvsクボタ

◆4月4日(土)14時@兵庫・ユニバ
神戸製鋼vsパナソニック

“柔と剛”の全勝対決
サントリーvsクボタ

WTBテビタ・リーをサポートするのはボーデン・バレット。サントリーとクボタが全勝対決(撮影:髙塩 隆)

 サントリーが今季初めて苦戦した。守っては少しずつゲインを許し、攻めては圧力を受けミスを繰り返し、今季初のビハインドで試合を折り返した(前半12-26)。キック多用の前半からシフト、後半はボールをキープし、積極的な展開でトヨタ自動車のディフェンスを振り回し、最後は元NZ代表SOボーデン・バレットのPGで劇的勝利を手にした(39-36)。

 苦しい局面を打開できる個々人が揃うことは強みだ。48分、ボーデン・バレットのハイパントを206㌢のLOハリー・ホッキングスが確保、元豪州代表FLショーン・マクマーンがゲインし、新人WTB中野将伍が仕留めたトライは象徴的。ボーデン・バレットのみならず、力強い突破を繰り返すNO8タタフとWTBリーの2人のテビタなど、苦境を打開できる選手がいたる所に揃う。

◆FWの圧力で安定したゲームを展開するクボタ。そのパックの真ん中にいるHOマルコム・マークス

 対するは、チーム史上最高の勢いのあるクボタ。爆発的な攻撃力はないが、盤石で危な気ない。

 サントリーを苦しめたトヨタ自動車同様、持ち味は大きく強いFW。第5節の三菱重工相模原戦、序盤は前に出るディフェンスを受けたが、じわじわ前進、キックも効果的に活用、気付けばゴール前に陣取った。着実に前に出る力の証明だ。205㌢のLOルアン・ボタが聳え立つなど、高さもある。

 今季全試合出場で2トライ、38歳の元日本代表NO8バツベイ シオネが好調。新人でも、迷いなきランで切り裂くFB金秀隆、好ゲインを見せるWTB山崎洋之らが活躍。2019年W杯優勝メンバーの南ア代表HOマルコム・マークスや元日本代表CTB立川理道なども高い水準の仕事を遂行、国籍年齢を問わず、個々がチームに活気を与えている。

 イメージは“柔と剛”の全勝対決。トヨタのスクラムを押し込むなど、剛の力はサントリーにもあるが、無尽蔵のフィットネスをベースとし、志向するラグビーは明白に異なる。ファンにとっては、好対照のスタイルの試合展開が期待される。

現役医学部生初のTL出場? 
超攻撃型ラグビーと鉄壁堅守の攻防!
神戸製鋼vsパナソニック

 今季の神戸製鋼のラグビーは攻撃的だ。公式データopta(Perform Media Japan 株式会社提供)によると、ゲインメーターではサントリーが約300㍍上回るが、パスとオフロードパスの回数では神戸製鋼が1位。第5節のNEC戦51分の100㍍トライは象徴的。自陣ゴール前でターンオーバー、蹴り出さずインゴールで展開、CTBアタアタ・モエアキオラのキックパスをWTB山下楽平が拾い大きくゲイン、ゴール前のラックから再びつなぎ、LOブロディ・レタリックが仕留めた。今季のチームスローガンはBE THE FIRE。看板に偽りはない。

 この試合で何度も好走、試合最後にはトライを阻止するディフェンスもした山下、逆サイドWTBで圧巻の仕事をする元NZ代表ベン・スミス、ケガから復帰し好調の元日本代表SH日和佐篤など、選手層は厚い。接戦になれば、38連続ゴールキック成功のスーパーラグビー記録を持つSOヘイデン・パーカーの左足にも、注目が集まる。

パナソニックの10番は松田力也。タイトな試合運び、個としては積極的な仕掛けも(撮影:宮原和也)

 対するパナソニックは、今季もディフェンスが堅い。失点44は、サントリーとクボタの72に大きく差をつけて最小だ。この試合、神戸製鋼の超攻撃型ラグビーが、パナソニックの鉄壁の堅守を崩せるかが勝敗を分ける。

 オフェンス面でも、危険な選手が揃う。日本代表SO松田力也との交代出場が多い山沢拓也は、日本屈指のファンタジスタ。サッカーボールでも難しいコーントロールのキックをいとも簡単に次々と披露し、自らもスピードある鋭いランで切れ込む。

 そして、今季トップリーグ最大の注目の一つ、4月から順天堂大学医学部の学生となる日本代表WTB福岡堅樹。世界の強豪国では、医師免許を持つ選手が活躍してきた前例があるが、現在28歳の福岡はすでに日本代表から退くことを表明。だが、前節NEC戦では、3トライを挙げ、変わらぬ切れと強さを見せつけている。今季終了までプレーすることが発表されたが、来期以降の去就は不明。今季で見納めとなる可能性が高い、日本ラグビー史上屈指の走り屋から、目を離せない。

★トップリーグ 2021 全試合見られるのはJ SPORTSだけ!全試合を実況、解説付きで配信

▼「トップリーグ2021」特設ページはコチラ
https://rugby-rp.com/topleague

FWの圧力で安定したゲームを展開するクボタ。そのパックの真ん中にいるHOマルコム・マークス(撮影:桜井ひとし)