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姫野がデビュー戦であいさつ代わりのジャッカル! 「すごく自分らしさが出たと思う」

2021.03.26

ハイランダーズとしてのデビュー戦で奮闘した姫野和樹(Photo: Getty Images)


 ニュージーランドの南島ダニーデンを拠点とするハイランダーズに今年新加入した姫野和樹(26歳)が、3月26日にホームのフォーサイスバースタジアムでおこなわれたハリケーンズ戦(スーパーラグビー アオテアロア 第5節)でデビューを果たした。

「アップのときから、人前で走るのがこんなにおもしろいのかというくらい、ニヤニヤしていた。スタジアムでお客さんの前でプレーするというのは(新型コロナウイルスの影響で)去年からなかなかできなかったので、ここでプレーできていることをすごく幸せに感じた」
 姫野は試合後、デビュー戦をそう振り返った。

 背番号20をつけてベンチ入りした姫野は、7ー24で迎えた49分(後半9分)にマリノ・ミカエレ・トゥウと交代し、NO8に入った。

「チームの流れが悪かったので、ここで僕を入れるブラウニー(トニー・ブラウン ヘッドコーチ)の意図をくみ取って、ボールキャリー、ブレイクダウンなどでしっかり仕事をして流れを変えなきゃいけないなと思っていた」(姫野)

 そして59分、ブレイクダウンでからみ、2019年のワールドカップでも連発し代名詞となった“ジャッカル”に成功する。

 このシーンについては、「味方がいいタックルをしたので、チャンスだと思って飛び込んだ。うまくボールに絡む形になったのでよかった」と得意げに振り返った。

 ボールを持てば力強いレッグドライブ、キレのある走りを見せた。約31分間の出場だったが、ボールキャリーは9回で、計51メートルをゲインしている。そして、巧みにオフロードパスも披露し、タックルでもチームを鼓舞した。

試合後、オンラインでメディア取材に応じた姫野和樹

「すごく自分らしさが出たと思う。1年ぶりの公式戦で不安はあったが、今日は自分のやれること、自分のプレーにフォーカスしてやった結果、自分らしいプレーができたなと感じている。しっかりリザーブとして、チームにインパクトを与え、流れを変えるプレーをやろうと心掛けていた。それができたと感じるので、今日に関しては自分に合格点をあげたい」(姫野)

 ハイランダーズは最大20点ビハインドから追い上げたものの、19ー30で敗れ、今季通算1勝3敗となった。
 ハリケーンズはFBジョーディー・バレット(サントリー所属ボーデン・バレットの弟)が3トライを含む全30得点の活躍で、今季初勝利を収めた。

 ハイランダーズは次週(4月2日)、クライストチャーチのオレンジセオリースタジアムで首位のクルセイダーズと対戦する。

「ここに来ていい経験を積むことだけが目的ではないので、しっかりチームを勝たせるために、もっとハードワークしなきゃいけないと思う」

 デビュー戦では声もよく出ていた姫野。もっともっと、自分のなかのエナジーをさらけ出すつもりだ。
 チームメイトには、オールブラックスの一員として2019年のワールドカップにも出場した同じバックローワーのシャノン・フリゼルがおり、「彼に負けたくない」という思いもモチベーションとなっている。

「体の状態はすごくいい感じ。去年ラグビーができなかった分、自分の体づくりにフォーカスして1年やってきた。自分はこれだけやってきたんだという自負があったので、1年ぶりの試合でもしっかり自分のラグビーができたのは、いい積み重ねができている証拠かなと思う。あとは、ゲーム感覚をもっともっと研ぎ澄ましていきたい。コミュニケーション力も伸ばしていきたい」