各チームが7試合を戦う今季トップリーグ、3月26日から28日の3日間かけて開催される第5節。ラグビーリパブリック/ラグビーマガジン注目のカードはこの二つ。
◆3月27日(土)12時@東京・秩父宮
リコーvsキヤノン
◆3月27日(土)14時@愛知・パロ瑞穂ラ
トヨタ自動車vsサントリー
日豪“異種”SO対決に注目!
リコーvsキヤノン
今季、リコーの奮闘が光る。ヤマハ発動機から10年ぶり勝利(23-22)、NTTドコモには5点差(17-22)、神戸製鋼には1点差の惜敗(19-20)、1勝3敗という数字以上の充実した内容だ。
集中が切れず、諦めない。象徴的なのは、第4節神戸製鋼戦でのディフェンス。後半の中盤、神戸製鋼CTBラファエレ ティモシーが約30mを走り、3人を振り切り1人を弾くも、元マオリ・オールブラックス201cmのジェイコブ・スキーンがゴールライン上で追いつき、左腕を差し込みトライを阻止した。今季のリコーは、執拗なディフェンスを80分間繰り返す。
4戦目にして今季初勝利を手にしたキヤノン。田中史朗、キャプテン田村優らキャップ保持者の移籍組、エドワード・カーク、ホセア・サウマキら元サンウルブズ勢、南ア代表46キャップのジェシー・クリエルなど、経験豊富なメンバーが揃う。ジャパンの躍進を支え、サントリーで結果を残した沢木敬介監督の手腕が、ここに来て実を結び始めている。なお、ジャパンで大活躍してきたNO8アマナキ・レレイ・マフィの電撃移籍も発表され、さらなる戦力充実が期待されている。
この試合、注目はタイプの異なる10番対決。リコーのアイザック・ルーカスは、2年連続U20豪州代表、レッズで活躍、ワラビーズ入りも期待されていた逸材。切れ味鋭いランで自ら積極的に仕掛ける。キヤノンの10番を背負うのは、ジャパン63キャップの田村優。開幕節NTTドコモ戦でのビッグゲインなど、ラン能力も秘めるが、持ち味は正確なキックとパスを駆使した落ち着いたゲームコントロール。異なるタイプのSOによる異なるゲーム演出が、この対戦の展開の鍵を握る。
全勝対決は80分間のフィジカルバトル?
トヨタvsサントリー
ボールキャリー、ラインアウトモールなど、今季もトヨタ伝統のフィジカルは健在。共同キャプテンでNZ代表127キャップのNO8キアラン・リードと、豪州105キャップのFLマイケル・フーパーの存在は、他チームにとって脅威そのもの。その3列には、一見強引だが、ほぼ確実にゲインする元日本代表フェツアニ ラウタイミも名を連ねる。また、自らのランに加え、ロングパスとキックパスでのトライも演出する、南ア代表61キャップのウィリー・ルルーがFBに位置するなど、BK陣も強烈だ。
第4節、府中ダービー史上最多得点、最多得失点差となる73-5で東芝に圧勝したサントリー。今季も無尽蔵のフィットネスでフルタイム走り続けるが、この日はキックも効果的に織り交ぜた。NZ代表SOボーデン・バレットが多彩で絶妙なキックを披露、キャプテンで日本代表のCTB中村亮土もキックパスでトライを演出。さらには、強力FWを誇る東芝を相手に、スクラムを押し込む場面も見せた。攻撃力が注目されるサントリーだが、ディフェンスも堅い。36失点は、堅守を誇るパナソニックを押さえ最少、公式データopta(Perform Media Japan 株式会社提供)のタックル成功率も89.7%でリーグ1位だ。
トヨタの懸念材料は、後半の失速。後半だけみると、東芝戦10-26、NTTコム戦22-21、宗像サニックス戦12-17。Honda戦を除き、前半の貯金での逃げ切ってきたことがわかる。これに対し、サントリーは前後半のペースが全試合ほぼ変わらない。この全勝対決、トヨタが80分間を通して、安定したパフォーマンスを発揮できるか、この点が鍵となりそうだ。
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