2018年度トップリーグチャンピオンが東京・駒沢でリコーに20-19と際どい逆転勝ち。足元をすくわれかけた。
前日の激しい雷雨が嘘のように晴れ渡った駒沢オリンピック公園陸上競技場。強風の中、前半、風上に立ったのは神戸製鋼。開始7分、ラインアウトモールからHO平原大敬が先制トライ。前半は3トライを挙げ、17-7で折り返した。だが風の強さ、相手FWのフィジカルを考えると、10点のリードでは心もとなかった。
後半、強風が今度はリコーの背中を押す。開始4分、HO武井日向がラインアウトモールからトライして14-17と3点差に。15分には、自陣ゴールを背にした地点からFBマット・マッガーンが一気に抜け出し、相手ゴール前へ。いったんは相手が確保したボールをターンオーバーすると、最後はLOロトアヘア ポヒヴァ大和が左隅に飛び込んだ。これで19-17とリコーが逆転する。
神戸製鋼は風下からキックを使わずにアタック。フェイズを重ねるが、リコーが辛抱強く止め続けてはターンオーバー。試合の流れは黒いジャージーにあった。22分には神戸製鋼CTBラファエレ ティモシーがインゴールにボールを置いたと思われたが、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)の結果、リコーFLジェイコブ・スキーンが上腕を抱え込んでおり、ノートライに。
攻めあぐねる神戸だったが、ワンチャンスを逃さなかった。28分、相手オフサイドで得た反則からPGを選択。司令塔ヘイデン・パーカーがHIA(脳しんとうの疑い)で退き、10番に入った李承信が慎重に決めて20-19と逆転。その後もリコーの反撃にあったが、1点を守り切った。
開幕前に負傷し、この試合が今季初先発となった神戸製鋼のSH日和佐篤共同主将は、「トライをとりきるところでとり切れず、自分たちの首を絞めた」と振り返った。
一方のリコー。後半は強風を味方に何度も神戸陣に攻め込みながら、決定的なチャンスを作れず、大魚を逸した。ゲームキャプテンを務めたSH山本昌太は、「アタックもディフェンスも、“相手よりはやく”を意識した」。白星にはつながらなかったものの、地元駒沢で、今季の充実を示した。