ジャパンラグビートップリーグは3月14日に第4節の5試合がおこなわれ、大阪・ヤンマーフィールド長居でおこなわれたNTTドコモレッドハリケーンズ対パナソニック ワイルドナイツの全勝同士対決は、26-13でパナソニックが制した。
前半は10-7と競った。
ペナルティゴール(PG)で先制したパナソニックに対し、ドコモは34分、ゴール前でモールを組んで押し込み、最初のトライを挙げた。
しかし3分後、ドコモのSOオーウェン・ウィリアムスが蹴ったボールがパナソニックの選手に当たり、跳ね返ったボールを青いジャージーの12番ハドレー・パークスが拾ってゴールへ駆け抜け、逆転した。
3点を追いかけるドコモが50分(後半10分)にPGで追いついたが、パナソニックは52分、CTBディラン・ライリーの力走で敵陣22メートルライン内に入り、FWでさらに前進後ボールを動かし、ディフェンスをひきつけたCTBパークスからパスをもらったWTB竹山晃暉がインゴール右隅に飛び込み、勝ち越した。
その後、ドコモがPGで2点差に詰めたが、パナソニックは64分、69分とSO山沢拓也のショット連続成功で8点差に。そして77分、左タッチライン際を駆け上がったパナソニックのWTB福岡堅樹がキックもまじえた鮮やかな個人技で貴重な5点を追加し、パナソニックが熱戦を制した。
パナソニックはこれで4勝0敗(総勝点19)、NTTドコモは3勝1敗(総勝点12)となった。
パナソニックと同じホワイトカンファレンスで開幕から3連勝だった神戸製鋼コベルコスティーラーズは、東京・駒沢オリンピック公園陸上競技場でリコーブラックラムズと対戦し、20-19で競り勝ち、こちらも全勝をキープした。
神戸製鋼は前半、ラインアウトからのドライビングモールで2トライ、スクラムからの攻撃でも得点し、17-7で折り返した。
しかし、前半36分に神戸製鋼にイエローカードが出て、数的有利で後半を迎えたリコーは44分(後半4分)、ラインアウトからモールで押し込み、FBマット・マッガーンのコンバージョンも決まって3点差に詰める。そして55分には守りで耐えたあと、自陣深くからカウンターを仕掛け、いったんは神戸製鋼がボールを確保したもののリコーがプレッシャーをかけて奪い返し、すばやくボールを動かしてLOロトアヘア ポヒヴァ大和が左隅に逆転トライを決めた。
リコーの堅いディフェンスに対し、なかなか追加点をあげられなかった神戸製鋼は、62分に好走したCTBラファエレ ティモシーがゴールラインを割ったものの、リコーのFLジェイコブ・スキーンが懸命にからんでグラウンディングを許さなかった。65分にも2点を追う赤いジャージーが猛攻でゴールに迫ったが、黒い防御網はここでも締まり、ピンチを脱出した。
だが68分、13フェイズ重ねた神戸製鋼に対し、リコーにオフサイドの反則があり、交替で入ったばかりの神戸製鋼SO李承信がPGを決め、逆転。
残り時間、神戸製鋼は1点リードを守り切り、厳しい戦いを制した。
神戸製鋼はこれで4勝0敗(総勝点18)、リコーは1勝3敗(総勝点6)となった。
レッドカンファレンスでは、前日に4連勝を決めたトヨタ自動車ヴェルブリッツに続き、クボタスピアーズも4つ目の白星を並べた。千葉・ゼットエーオリプリスタジアムでHonda HEATに38-7と快勝し、総勝点を19に伸ばしている。
クボタは前半4分にCTBテアウパ シオネのトライで先制し、32分には敵陣深くでPKを得ると、SH井上大介がクイックタップから速攻でインゴールに持ち込んだ。
クボタは14-0で迎えた45分(後半5分)にもゴールに迫り、FLファウルア・マキシが腕を伸ばしてインゴールにグラウンディング。53分にはFB金秀隆がインターセプトから約80メートル走り切り、点差を広げ、終盤にも2トライを追加し、勝利を引き寄せた。
Hondaは試合終了間際に1トライを奪い返したが、4連敗(総勝点0)となった。
開幕から3連敗と苦しんでいたキヤノンイーグルスは、静岡・ヤマハスタジアムでヤマハ発動機ジュビロを40-32で下し、今季初勝利となった。
キヤノンは前半3分にWTBエスピー・マレーのトライで先制すると、21分にはCTB南橋直哉が連続攻撃をフィニッシュし、12-8で折り返した。
後半早々にヤマハのLOヘル ウヴェが力強い走りでゴールに持ち込み、逆転したが、キヤノンは49分(後半9分)、ドライビングモールでゴール右に迫ったあと左へテンポよくボールを動かし、回り込んできたCTBジェシー・クリエルがインゴール左隅に押さえ、TMO(テレビジョン・マッチ・オフィシャル)で確認後トライが認められた。
再びリードしたキヤノンはさらに53分、SO田村優がヤマハのFB五郎丸歩にプレッシャーをかけてボールを奪い返し、その後、キックスキルも見せ、SH荒井康植のトライにつなげた。59分にはラインアウト後、サインプレーが決まってCTBクリエルが中央を切り裂き、田村もコンバージョンを確実に決めて得点を重ねた。
それでも、スタミナとしぶとさがあるヤマハが徐々に追い上げ、キヤノンは反則の繰り返しで72分にイエローカードを提示され、残り時間を14人で戦うこととなる。数的有利となったヤマハは73分にLOヘルがパワーでインゴールに突っ込み、75分にはWTBジェイデン・ナーマヌが敵陣10メートルライン付近から抜け出し、サポートについていたWTB中井健人につなぎ、連続トライ。五郎丸のコンバージョンも決まり、1点差に詰めた。
しかし、キヤノンは77分、WTBホセア・サウマキがキック&チェイスで相手にプレッシャーをかけ、敵陣深くでボールを奪い返し、アドバンテージを得て怒涛の攻撃、右へ大きく振ってWTBマイケル・ボンドが抜け、大きなトライを挙げた。そして、田村がコンバージョンを決めて8点リードとし、勝利を引き寄せた。
キヤノンは今季初勝利で1勝3敗(総勝点5)、ヤマハは2勝2敗(総勝点11)となった。
神奈川・相模原ギオンスタジアムでは、三菱重工相模原ダイナボアーズとNTTコミュニケーションズシャイニングアークスが26-26で引き分けた。
14-19と5点ビハインドだったNTTコムが、57分(後半17分)、59分と、快速WTB石井魁の連続トライ(そのうちコンバージョンは1つ成功)で7点リードに変わったものの、三菱重工相模原は71分、PRシャムベックラー・ブイが中央の密集から抜け出して30メートル以上走り切り、コンバージョンも決まって同点に追いついた。
その後、両チームとも譲らず、フルタイムを知らせるホーンが鳴ったあと、NTTコムのFLリアム・ギルが蹴ったボールをFBシルヴィアン・マフーザが確保し、内で追走していたギルに折り返し、劇的な決勝トライが決まったかに思われたが、TMOでマフーザのオフサイドが確認され、トライはキャンセルとなり、結局、26-26で試合終了となった。
両チームともこれで1勝1分2敗。初戦でボーナスポイントを獲得していたNTTコムは総勝点7、三菱重工相模原は総勝点6となった。
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