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来年に延期、正式決定。ラグビーワールドカップ2021 女子大会

2021.03.10

ハカを踊る女子ニュージーランド代表。初の自国開催大会で連覇を狙う(Photo: Getty Images)


 今年の9月、10月にニュージーランドで開催される予定だったラグビーワールドカップ2021(女子大会)は、世界的にいまだ収束しない新型コロナウイルスの影響と、さまざまな不確実な状況を受け、2022年に延期することが正式に決まった。国際統括団体のワールドラグビーが3月9日に発表。1週間前に明らかとなっていた、開催延期という難しい勧告について、ラグビーワールドカップ理事会とワールドラグビーの執行委員会で協議され、正式に承認された。
 新たな日程は未定。

 ワールドラグビーのビル・ボーモント会長は、「今年のラグビーワールドカップ2021を楽しみに準備を進めてきた選手、チームスタッフ、そしてファンの皆さまの気持ちにワールドラグビー一同寄り添います。私たちは、皆さまがとてもがっかりされることを承知しますが、延期の決断はあくまでも皆さまのウェルフェア(身の安全・福祉)、ウェルビーング(健康)を考えた決断であり、大会へ向けた十分な準備をした上で、女子ラグビーを世界中でスーパーチャージするためのものです」とコメントした。

 延期の主な理由は以下のとおり。

●選手、スタッフ、大会関係者など600人以上を超える人々が安全で確実な渡航・移動ができるかどうか不確実。

●ニュージーランド到着後、14日間の管理隔離施設での隔離と検疫プロセスに耐えたチームのために、ラグビーワールドカップに向けた十分な準備をおこなうハイパフォーマンストレーニング環境が確保できるかどうか不確実。

●チームによっては、全員集合し、スコッドとしてトレーニングをおこなうことができない、またはテストマッチができない状況が12か月間以上続いているチームもあり、すべての出場チームが十分に準備できるかどうか不確実。

●渡航制限、国により異なる不透明な検疫条件が国際予選プロセスの完了を難しくしている。

●現段階では、地元のファン、そして海外から訪れるファン(選手の家族を含む)を十分に試合に招待できる保証がなく、女子ラグビーを世界中でスーパーチャージするにふさわしい舞台を提供できる保証ができない。

●加えて、既存のハイリスク状況を踏まえ、大会開催までの6か月間で起こりうる新たなリスクに対応する余裕に限界があり、最悪の場合、大会延期ではなく即「中止」という結果になる可能性もある。

「私たちは最高のラグビーワールドカップを開催するためのすべての条件を整えるために引き続き尽力します。そしてニュージーランドの国民の皆さまも取り組みを進めていることを知っています」(ビル・ボーモント会長)

 ワールドラグビーは、来年に延期になったラグビーワールドカップで選手やチームが実力をフルに発揮できるよう、すでに出場権を獲得しているチームや予選を控えているチームのために、200万ポンド(約3億円)を拠出して支援することを決定。ハイパフォーマンス準備大会プログラムなど、準備機会を提供していくことも約束した。

 女子日本代表は2大会連続5回目の出場を目指しているが、新型コロナウイルスの影響で、3月に予定されていたアジア最終予選は見送りとなっている。

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