パンデミック禍の影響を受けて開幕延期、各チームが年間スケジュールの変更を強いられた今季のトップリーグも3節を終了。プレーオフトーナメントに向け、そろそろ順位が気になる時期となってきた。
◆2019南ア優勝組の一人は、その原動力となったLOの、フランコ・モスタート。Hondaで奮闘
3月13日と14日に開催される第4節、ラグビーリパブリック/ラグビーマガジン注目のカードはこの2つ。
◆3月13日(土)14時@東京・秩父宮
東芝vsサントリー
◆3月14日(日)13時@千葉・オリプリ
クボタvs Honda
疾風迅雷と捲土重来の府中ダービー
東芝vsサントリー
サントリーの勢いが止まらない。縦横無尽にボールをつなぎまくるスタイルは今季も健在。ピッチ上の15人全員が80分間走り回り、疲れ知らずのフィットネスを見せつける。手元に資料は無いが、GPSの走行距離データは、他のどのチームよりも突出していることだろう。疾風迅雷、今季トップリーグ最多の75得点を2度記録、早くも得失点差は150に到達している。
今季トップリーグ参加の外国人選手の中で最注目の1人が、ワールドラグビー年間最優秀選手賞を2016年と2017年の2年連続で受賞したNZ代表SO/FBボーデン・バレット。ここまでの3試合すべてにSOで先発、2トライ21ゴールの52を記録。圧巻のオフロード、忠実なサポート、献身的なディフェンス、そして正確なキックを披露、期待通りの活躍で会場を沸かせている。
注目はバレットばかりではない。キャプテンで日本代表の中村亮土、豪州代表のサム・ケレビが形成する強力CTB陣、現日本代表の流大とこれから代表入りを狙う齋藤直人が競うSH、力強い突破を繰り返すテビタ・リーと新加入の中野将伍が位置する両翼などなど、見どころは尽きない。
第4節、好調サントリーは、東芝との伝統の府中ダービーに臨む。開幕節から2連敗した東芝だが、第3節の三菱重工戦は58-7と圧勝、ここから捲土重来を期す。トヨタに33-34の1点差で惜敗の開幕節、好調クボタに封じられた第2節と連敗を喫したが、接点での強さなど、随所に本来の地力を垣間見せてきた。第3節ではSOで出場、好テンポを生み出す185cmの長身SHジャック・ストラトンや、変わらぬ強さと仕事量を誇るリーチ マイケルなど、流れを変えることができる絶対的な存在がいることも強み。今週末の府中ダービーも、期待感満載だ。
セットプレーが鍵。超大型選手擁する両チーム
クボタvs Honda
クボタが好調だ。第2節では、東芝を1トライ1ゴールの7点に抑えて39-7の圧勝。第1節宗像サニックス戦(43-17)と第3節NTTコム戦(34-24)は、点差以上の充実した内容で圧倒、3連勝を記録している。
特筆すべきは、フィジカルの強さとセットプレーの安定。チョークタックルやブレイクダウンのバトルでボールを奪い、ペナルティーを勝ち取り、スクラムで圧力を掛け、ラインアウトを起点にトライを挙げる。
2019年W杯を制した南ア代表メンバーの1人、HOマルコム・マークスが圧巻の活躍。ラインアウトでは205cmのルアン・ボタが聳え立ち、新人FB金秀隆が迷いなきランでピッチを切り裂く。第3節は、クボタスピアーズの顔とも言える立川理道がメンバー外となったが、チームはまったく不安を感じさせぬ戦いぶりを披露、その好調ぶりを見せつけた。
第3節で好調クボタに挑むHonda。開幕から3連敗中だが、爆発的な攻撃力を誇るサントリーを相手に14-31と食い下がるなど、これから上昇する潜在力を秘めている。2019W杯優勝メンバーで200cmのLOフランコ・モスタート、絶対的なスクラムの強さを誇るPR具智元を軸に、クボタが武器とするセットプレーで圧力をかけたい。好調のクボタだが、ペナルティーとハンドリングエラーが多く、セットプレーが多くなる試合展開は大いにあり得る。この試合、フィジカルのぶつかり合い、とりわけセットプレーに注目だ。