名古屋市のパロマ瑞穂ラグビー場。3月6日のトップリーグ第3節の対戦はトヨタ自動車ヴェルブリッツ対Honda HEAT。東海ダービーであり、自動車メーカーの対決となった。
結果は45-3。トヨタが7トライを奪って開幕3連勝を飾り、ノートライに終わったHondaは3連敗と、明暗が分かれた。
トヨタがアクセルをふかし続けた80分ではなかった。前後半ともに拮抗した時間帯は生まれ、勝者はそこでつかんだチャンスを着実にトライにつなげ、敗者はミスで得点機を逃した。その差だ。
先制したのは風上のHonda。前半8分にSO朴成基のPGで3点を刻む。トヨタは立ち上がり、反則が続き波に乗れなかったが、その状況を打開したのは初先発のFLマイケル・フーパーだった。相手ボールに絡んではピンチの芽を摘み取り、スタンドを沸かせる。
トヨタの初トライは16分。ラインアウトからフーパーがパスアウト。そこでできたフェイズから今度はランナーとしてゲインと、変幻自在。最後はNO8フェツアニ ラウタイミが飛び込んだ。31分には今季初先発のFL吉田杏、33分にはCTBロブ・トンプソンがトライを決め、26-3で折り返す。
後半に反撃を期したHondaだったが、12分にHO呉季依典が相手選手を蹴り、不行跡で退場。セットプレーの要を失い、守勢に転じることはできなかった。
Hondaのダニー・リーHCは「前半25分までは素晴らしく戦えたが、その後、不要なミスで相手にチャンスを与えてしまった」と振り返った。
トヨタのサイモン・クロンHCは「がまんして戦えた。全体的にいいパフォーマンスだった」。波にのれず苦しんだ前半も含めて、及第点を与えた。
これでトヨタは3連勝。この日は先発したフーパーにかわって途中から出場したNO8キアラン・リード、FBウィリー・ルルーら、世界のビッグネームと、LO秋山大地、WTB高橋汰地ら若手がバランスよく機能し、試合ごとに成長を見せている。
後半30分を14人で戦ったHondaも、それまでのスクラムでは優勢に立つ場面が多かった。「1試合目(開幕節・NTTコム戦)は感覚をつかめなかったが、3試合目でやっと8人で固まったスクラムを組めた」(PR具智元)。
白星への足がかりはつかんだ。