ジャパンラグビートップリーグ2021は2月28日、第2節の5試合が全国各地でおこなわれ、リコーブラックラムズがヤマハ発動機ジュビロとの激闘を制して今季初勝利。パナソニック ワイルドナイツ、神戸製鋼コベルコスティーラーズ、サントリーサンゴリアス、トヨタ自動車ヴェルブリッツは2連勝となった。
ホワイトカンファレンスに入っているリコーは東大阪市花園ラグビー場でヤマハと対戦し、23-22で競り勝った。
アグレッシブなディフェンスが勝因となった。出足速くプレッシャーをかけ続け、ブレイクダウンでは主将のNO8松橋周平や新人のHO武井日向らがターンオーバーを連発した。
背番号15をつけて初先発となった20歳のメイン平がトップリーグ初トライを挙げるなどして16-3で折り返したリコーは、後半も最初にドライビングモールで加点し、60分(後半20分)まで20点リードを保っていた。
だが、スタミナがあるヤマハが3連続でトライを奪い返し、たちまち1点差に。そして、最後のアタックでも15フェイズを重ねたが、リコーも死力を尽くしてしのぎ、激闘は23-22でノーサイドとなった。
両チームとも1勝1敗となり、リコーは総勝点4、7点差以内の負けでボーナスポイントを獲得したヤマハは総勝点6となった。
パナソニックは熊谷ラグビー場で日野レッドドルフィンズと対戦し、9トライを奪い60-12で快勝した。2試合連続でボーナスポイントも獲得し、総勝点10となり、ホワイトカンファレンスの首位を走る。日野は2連敗(総勝点0)。
パナソニックにとっては今シーズン初のホームゲーム。序盤15分までに2トライを奪って12点のリードを奪ったが、その後はゲームがスローダウン、日野のプレッシャーに反則をとられ、自陣で戦う時間帯が多くなった。36分には日野のFBギリース・カカにトライを奪われ、15-5で折り返した。
ハーフタイム。「“全員がつながってハードワーク”のひとことで後半に入りました」。たちまち修正ができるのがパナソニックの強み。44分(後半4分)のWTB竹山晃暉のトライを皮切りに後半は7トライ。SO山沢拓也もキックパスを自在に使い、連続トライを挙げるなど、終わってみれば60-12の大差となった。
「シンプルに進めようと考えていたのに、前半考えすぎた。後半はシンプルにした」(山沢)
当初、先発メンバーに入っていたWTB福岡堅樹は、知り合いが体調を崩したことで大事をとり、メンバーから外れた。「幸い、知り合いも体調に問題はなかったので、次の試合には大丈夫です」(ロビー・ディーンズ監督)
同じくホワイトカンファレンスに入る神戸製鋼は、地元の神戸ユニバー記念競技場でキヤノンイーグルスと対戦し、73-10と圧倒した。
神戸製鋼は前半8分、20分とラインアウトからモールで押し切り、31分にもFWでトライを獲りきった。
キヤノンは38分に敵陣深くに入ったが、ラインアウトを乱し、逆に神戸製鋼が攻め上がってCTBアタアタ・モエアキオラが突破、SH徳田健太につないでチーム4トライ目となった。
後半も神戸製鋼の勢いは止まらず、ニュージーランド代表のLOブロディ・レタリックやWTBベン・スミスらが躍動。パワフルな走りも披露したNO8ナエアタ ルイはこの日5トライを挙げる活躍だった。
神戸製鋼は2勝0敗(総勝点9)、キヤノンは2連敗(総勝点1)となった。
レッドカンファレンスで首位に立つサントリーは、三重交通G スポーツの杜 鈴鹿 サッカー・ラグビー場でHonda HEAT(ホンダヒート)と対戦し、31-14で制した。
チャレンジャーのホンダは粘り強く戦ったが、前半19分に危険なプレーをした選手がイエローカードを提示されて10分間の退出となり、サントリーは数的有利の時間帯に2トライを挙げた。1本目はオーストラリア代表33キャップのCTBサム・ケレビが中央を破ってフィニッシュ。2本目は、WTBテビタ・リーがパワーとスピードで左外をゲインし、デビュー2戦目で背番号9をつけた齋藤直人につないで連続トライとなった。
19-9で迎えた57分(後半17分)、サントリーはモールで前進後、ショートサイドを攻めてSH齋藤がインゴールに突っ込み追加点。
ホンダは71分にFW勝負でトライを奪い返し10点差まで詰めたが、サントリーは終盤にラインアウトからモールで押し切り、試合を締めくくった。
サントリーはこれで2勝0敗(総勝点10)、ホンダは2連敗(総勝点0)。
そして、開幕節で東芝との熱闘を制したトヨタ自動車は、同じく白星発進していたNTTコミュニケーションズシャイニングアークス(NTTコム)とユアテックスタジアム仙台で対戦し、47-29、総勝点を9に伸ばした。1勝1敗となったNTTコムは総勝点5。
トヨタは前半12分にPKからの速攻でWTB高橋汰地が最初のトライゲッターとなり、21分の2本目はターンオーバーから生まれた。SOライオネル・クロニエがカウンターを仕掛け、続けてゲインしたWTBヘンリー ジェイミーはマジックのようなハンドリングでCTBロブ・トンプソンにつなぎ、会場を沸かせた。
対するNTTコムは25分、ゴール前中央のスクラムからボールを右に動かし、新戦力の元スコットランド代表SHグレイグ・レイドローが長いパスを放り、WTB石井魁がフィニッシャーとなった。
だがトヨタは数分後、ラインアウトからのドライビングモールで加点し、再びリードを拡大。
後半もNTTコムが食らいつき、35-29と6点差に詰められたトヨタだったが、72分(後半32分)、敵陣22メートルラインに迫ってアドバンテージを得ると、SOクロニエが左前方にキック、バウンドボールはトヨタが確保し、交代で入ったばかりのFL吉田杏がインゴールに突っ込み、貴重な追加点となった。78分にはSH滑川剛人もトライを挙げ、勝負を決めた。