大会史上初めての両チーム優勝だ。
第28回全国クラブ大会の決勝が2月21日、熊谷ラグビー場でおこなわれた。神奈川タマリバクラブと愛知教員クラブが対戦し、24―24の引き分け。両チーム優勝となった。
先制点は前半14分。序盤は神奈川タマリバクラブのアタックが続くも、愛知教員クラブが少ないチャンスをスコアにつなげた。大外に展開したところから、CTB山下昂主将がラインブレイク。そのままトライを奪った。
その後もCTB山下主将はディフェンスでも獅子奮迅の活躍。何度も好タックルを見せる粘りのディフェンスで、失点を26分のドライビングモールのみに抑えた。
一方、タマリバNO8迫田泰英主将は「トライを取り急いでしまった」と前半を振り返る。後半は焦らずフェイズを重ねるアタックに修正。開始早々、NO8迫田主将のトライで12―7と逆転する。
だが、ペナルティを重ねたタマリバは自陣ゴール前で相手ボールスクラムを与える。愛知教員クラブはここで優位に立っていたスクラムでプッシュ。最後はその脇を突いて同点に追いついた。
その後も一進一退の攻防が続く。タマリバが15分にトライを追加すると、愛知教員クラブが26分にトライ。再び同点に追いつくと、直後にタマリバがまたトライを奪ってリードした。
残り10分を切ったが、愛知教員クラブが執念を見せる。36分、1トライを挙げていた左WTB塚本健の好ランで一気にゲインすると、最後は右WTB祖父江祐太がインゴールへ。FBの負傷交代で途中出場の坂口隼介が慎重に蹴ったコンバージョンも決まり、24―24。三度同点に追いついた。
両チーム疲労がたまる中、残り5分、意地がぶつかり合った。愛知教員クラブが自陣から攻め上がるも、ノックオンで形勢逆転。フェイズを重ねたタマリバが相手の反則を誘い、決まれば単独優勝のペナルティゴールのチャンスを得た。
「最後は見守るしかなかった」と愛知教員の山下主将。楕円球は左にそれて両チームの優勝が決まった。
タマリバは5年ぶりの栄冠。最多優勝記録も11に伸ばした。一方の愛知教員クラブは2年前の全国クラブ初出場から、悲願の初優勝を飾った。