新しい指揮官のもとでトップリーグ2021の開幕を迎えたチーム同士の対決は、NTTドコモレッドハリケーンズが歓喜した。2月21日に東京・町田GIONスタジアムでキヤノンイーグルスと対戦し、26-24で逆転勝ち。ヨハン・アッカーマン新ヘッドコーチに幸先のいい初勝利をプレゼントした。沢木敬介監督が率いる新体制となったキヤノンは黒星発進。
ドコモはニュージーランド代表SHのTJ・ペレナラがワールドクラスのプレーでチームを引っ張った。
序盤、ドコモは反則の繰り返しで1人少なくなり、相手に攻め込まれてピンチだったが、スクラムからトライを狙いに行ったキヤノンに対し、ペレナラが相手NO8コーバス・ファンダイクにプレッシャーをかけ、ターンオーバー。チームを活気づけた。
その後、キヤノンに2トライを奪われ、6-14で折り返したドコモだったが、56分(後半16分)、危険なタックルをしたキヤノンの選手にイエローカードが出て数的有利になると、2分後、敵陣深くに入り、ラックサイドを抜けたLO杉下暢からオフロードパスをもらったペレナラがトライを決め、流れを変えた。
その後、キヤノンにPGを許し、4点差とされたドコモだったが、66分、敵陣10メートルライン付近でPKを得ると、ペレナラがクイックタップから仕掛けてゲイン、FL李智栄につないで逆転トライが生まれた。
勢いづいたドコモはさらに72分、敵陣深くで14フェイズを重ねてWTB茂野洸気がフィニッシュ。貴重な5点を追加した。
6点ビハインドとなったキヤノンは76分、キャプテンのSO田村優が自陣から抜けて大きくゲインし、サポートについていたFL安井龍太につなぎ、トライ。負傷した田村に代わってキッカーを務めたFB小倉順平がコンバージョンを決め、逆転した。
しかし試合終了間際、キヤノンが自陣で痛恨の反則を犯してしまう。フルタイムを知らせるホーンが鳴り、ドコモは、この日キック不調だったSO川向瑛がペナルティゴールを狙った。そして、ポストほぼ正面、約30メートルの位置から放たれたショットは、成功。ドコモが劇的な逆転勝利に歓喜した。