ラグビーリパブリック

パナソニック、ディフェンスとスクラムをキーに大勝。リコー退ける。

2021.02.20

後半に突き放したパナソニック。基本プレーでの反応の早さが光った。写真はコミュニケーションでも周囲をリードした布巻峻介のトライ(撮影:高塩隆)

 

 パナソニックが貫禄を見せてリコーのチャレンジを阻んだ。最終スコアは55-14。後半初めまではリコーも食らいついたが、スクラムなどFW周りでの劣勢がじわり、後半に効いて点差は開いた。

◆塊になって相手を押し込む、PR稲垣啓太らパナソニックのFW陣。クレバーさ、力強さに、スキルも見せつけた

暖かな日差し、神宮方面へやや風が吹くコンディションで序盤の追い風を背に受けたのはリコー、開始1分に先制トライが決まる。相手BKのパスミスをCTBジョー・トマネが拾って、WTBキーガン・ファリアが左隅に飛び込んだ(G成功)。0−7。

 開始8分に連続攻撃のパナが22㍍内でP Gを決めて3-7に。リコーは15分、SH山本昌太のチャージで相手ゴール前に入りかけたが、パナSO松田力也の起点で脱出。パナBKの忠実な戻りが印象的だ。

 この後も前半はパナが、相手のディフェンスをきっちりと崩して2トライを決めた。前半21分のトライは、中盤スクラムからの連続攻撃でCTBディラン・ライリーらが2度、リコーの防御の内側を崩したもの。最後は左タッチ際を丁寧に突いて、F L布巻峻介がトライ。31分は相手の反則を足掛かりに、モールでプレッシャーをかけ、SH内田啓太がインゴールへ、17-7に。35分にもPGを決め、20-7でパナソニックがリードして折り返した。

 後半も先制はリコー。

 後半5分に自陣のクイックスローインを受けたWTBファリアがまた、走った。反応して自陣に援護にきた仲間にいったんつなぎ、タッチ際を走ったNO8タラウ・ファカタヴァから内側でボールを貰って、インゴールを左中間に回り込んだ。パナ20-14リコー。1トライ1ゴールの射程圏内に収める効果的なトライだ。

 しかし、この後、決定的な場面があった。

 リコーは51分から自陣ゴール前のスクラムで、2度に渡ってマイボール・スクラムを押されてボールを失ってしまう。そのまま押し込まれてトライを献上(G成功・後半15分)。27-14とされる。点差そのものよりもメンタルに影を落とす失点だった。

 パナソニックはその後堀江のスキルフルなステップとオフロードで、NO8ジャック・コーネルセンが一つ、福岡堅樹がインターセプトから一つ、トライを加え、41-14(23分)として27点差に。大勢を決めた。

 さらに得点を重ねたパナソニックは、55-14でシーズン初戦を飾った。

試合を決めにいくトライはモールで。パナソニックは引き出しの多さを見せつける(撮影:髙塩 隆)