トップチャレンジリーグに属する古豪の近鉄ライナーズが、2021年大会で白星発進した。開幕節となる2月14日、東大阪市花園ラグビー場で清水建設ブルーシャークスと対戦し、70-33で勝った。
近鉄の出だしはよかった。
序盤からボールキープで攻め続け、前半3分、インサイドCTBのステイリン パトリックが突破し、13番のパスカル・ダンにつないで先制トライ。9分にはディフェンスでプレッシャーをかけてボールを奪い返し、テンポの速い連続攻撃をNO8野中翔平がフィニッシュした。14分にはスクラムから展開し、おとり役も利いてWTBジョシュア・ノーラが中央を走り抜けた。29分もスクラムからのアタックで、元オーストラリア代表SOのクウェイド・クーパーがランで切り込み、鮮やかなハンドリングで片岡涼亮につなぎ、ルーキーの背番号11が左隅にトライを決めた。
一方的な展開になるかと思われた。
しかし、19分にキックパスからチャンスを広げて7点を奪い返していた清水建設は、さらに33分、ラインアウトからサインプレーを決め、PRペッカホウ・カーワンがゴールに突っ込みトライ。38分には敵陣22メートルライン手前のラインアウトからモールを組んで前進し、LO渡邉洋人が持ち出しファイブポインターになった。
5点差に詰められた近鉄はハーフタイム前、クーパーのキックパスをWTBノーラが確保し、自らも前方へキック、チェイスしたSHウィル・ゲニアがトライを挙げ、31-19で折り返した。
近鉄は後半、片岡やクーパー、FB南藤辰馬などが躍動して最終的には12トライ70得点となったが、雑なプレーも目立ち、ディフェンスも粗い部分があって清水建設に計5トライを許すなど、快勝とは言えない今季第1戦だった。
有水剛志ヘッドコーチは、「自分たちのテンポになる時間もあったが、清水建設の激しいプレッシャーに思っていた形が作れなかった」と反省し、2週間後の栗田工業ウォーターガッシュ戦へ向けて修正していく。
清水建設は次戦、2月28日に釜石シーウェイブスと対戦する。